マクロ経済学で、総需要曲線と総供給曲線に基づくモデルであるAD-AS分析を学ぶことがあるかと思います。
横軸に所得Y、縦軸に物価Pをとり、右下がりの総需要曲線(AD曲線)と右上がりの総供給曲線(AS曲線)が描かれ、均衡物価が決まるとされます。
図にすると、下のような感じで、経済学でよく見る需要と供給の図になっています。
なお、導出方法については、↓を参考にしてください。
ケインズモデル(IS-LMモデル)における総需要曲線の導出(数式モデル)
ところで、ここで注意が必要なのは、これはあくまでも、中期モデルだということです。
ケインズ経済学では、名目物価や名目賃金は伸縮的ではなく、固定的だと考えます。
なので、総供給曲線(AS曲線)は、物価に対して一定となり、水平な曲線となります。
逆に、長期的には、物価水準や賃金などは、伸縮的に変化すると考えられます。その結果、完全雇用GDPが達成されると考えられるので、供給量は完全雇用GDPに等しくなり、総供給曲線(AS曲線)は垂直な曲線となります。
経済学の教科書を見ると、当たり前のように中期モデルで議論が進んでいることがあるかと思いますが、短期・長期とは異なり、物価も所得も均衡していない状態を前提に、分析が行われていることに注意しましょう。