概要
経済学では数式が出てきますが、たいへんなのが、その際に用いられるアルファベット・ギリシャ文字の意味です。
とはいえ、経済学の本や論文を読むとき、いちいち
「このAは何の意味だっけ?」
と調べなおしたりするのもたいへんです。
ただ、明確なルールはなく、何となくですが、一般的な使い方があるので、それらをまとめてみました。
意味
アルファベット
アルファベットの場合には、需要ならばdemandの頭文字「d」が使われるなど、英語の意味の頭文字をとったものが多いです。
A : 技術力
a, b : 任意の係数・定数
C, c : 消費
D, d : 需要
E : 支出
e : (計量経済学・統計学の場合)誤差項、(マクロ経済学の場合)努力度
F, f, G, g : 関数
G : 政府支出
H : (最適化に使われている場合)ハミルトニアン、(マクロ経済学の場合)人的資本
I : 投資
i : 利子率、任意の値(i人などといった使い方)
K : 資本
L : (最適化に使われている場合)ラグランジュアン、(マクロ経済学の場合)労働力
l : 余暇
M, m :輸入
N, n : 人口・労働力、任意の数(n人などといった使い方)
P, p : (ゲーム理論の場合)確率、(マクロ経済学の場合)物価
r : 利子率
S, s : (マクロ経済学の場合)貯蓄、貯蓄率、(ミクロ経済学の場合)供給
T, t : 時間、トレンド
U, u : 効用
X, x : 中間財、輸出
Y, y : 所得、生産力
※一応、アルファベットの順に掲載しています。
ギリシャ文字
ギリシャ文字の場合には、係数・定数に使われることが多いのですが、ζのようにあまり用いられないものがあったりもします。
α, β, γ : 任意の係数
δ : 減価償却
ε : 誤差項、ノイズ
θ : 任意の係数
λ : ラグランジュアンなどのシャドープライス
μ : 任意の係数
π : 利益
ρ : 割引率
σ : 分散
φ : 任意の係数
Ω : 集合
※一応、ギリシャ文字の順に掲載しています。
その他
添え字などでも、何となくの意味が決まっています。
* : 均衡 (例)$ a^*$
・ : 増分 (例)$ \dot{a}$
^ : 推定値 (例)$ \hat{a}$
- : 定数 (例)$ \bar{a}$
まとめ
経済学の本・論文を読むと、何となくは覚えるものですが、慣れないうちはたいへんです。
勿論、本・論文ごとに違う使い方をしているような場合があるので、注意は必要です。特に、経済学の中でも、違う分野を学ぶとき、違う「流儀」があることが多いです。
ただ、ある程度、共通していることも多いので、覚えておいて損はないと思います。