統計学・計量経済学において、確率変数に関するいくつかの収束がありますが、その中で重要な次の3つの収束について、説明します。
・平均二乗収束
・確率収束
・分布収束
平均二乗収束
確率変数列$X_n$、確率変数$X$としたとき、平均二乗収束とは、次のようなものです。
$\displaystyle \lim_{n \rightarrow \infty} E[(X_n \; – \; X)^2] = 0$
数学的には、次のように表記されます。
$ X_n \overset{m.s.}{\longrightarrow} X$
確率収束
確率収束とは、任意の正数$\varepsilon$について、次のようなものです。
$\displaystyle \lim_{n \rightarrow \infty} P( | X_n \; – \; X | \geq \varepsilon ) = 0$
数学的には、次のように表記されます。
$ X_n \overset{p}{\longrightarrow} X$
※詳細については、「確率収束の定義や演算ルールなどのまとめ」
分布収束
確率変数列$X_n$の分布関数を$F_n$、確率変数$X$の分布関数を$F$としたとき、分布収束とは、分布関数$F(x)$について、次のようなものです。
$\displaystyle \lim_{n \rightarrow \infty} F_n(x) = F(x)$
数学的には、次のように表記されます。
$X_n \overset{d}{\longrightarrow} X$
※詳細については、「分布収束の定義や演算ルールなどのまとめ」
3つの収束の関係
確率変数列$X_n$が確率変数$X$に平均二乗収束すれば、確率変数列$X_n$が確率変数$X$に確率収束し、確率変数列$X_n$が確率変数$X$に確率収束すれば、確率変数列$X_n$が確率変数$X$に分布収束するという関係があります。
すなわち、
平均二乗収束 ⇒ 確率収束 ⇒ 分布収束
という関係があります。
参考
黒住英司『計量経済学』