スポンサーリンク

各都道府県でどの産業が特化しているのか(産業別の特化係数)(エクセル付き)

スポンサーリンク
 
投稿地域経済学入門
経済学において、特化係数を計算し、各都道府県でどの産業が特化しているのかを説明します。特に、初級者向けにどのように計算しているのかを知ってもらうため、エクセルデータもつけておきます。
スポンサーリンク
スポンサーリンク

こんな方におすすめ

 地域経済学などを勉強していると出てくる「特化係数」です。
 ただ、特化係数の意味は分かっても

  「特化係数を実際に計算したいがどうしたらいいか分からない」

  「エクセルでの特化係数の計算例を知りたい!」

という方も多いと思います。

 そこで、実際に統計データから特化係数を計算した例を紹介したいと思います。
 エクセルのデータもつけていますので、是非ともご利用ください。

特化係数

 特化係数とは、ある地域において、全国と比べて、どの産業が多いのか、少ないのかを表す指標です。
 (詳しく知りたければ、「特化係数とは何であるか、簡単に説明します」を確認してください)

 ある地域のある産業の特化係数が1よりも高い数値ならば、その産業は全国よりも多く、強い産業と言えます。逆に特化係数が1よりも小さければ、その産業は全国よりも少なく、弱い産業とされます。

  特化係数 > 1 ⇒ その産業は多い(強い)

  特化係数 = 1 ⇒ 全国並み

  特化係数 > 1 ⇒ その産業は少ない(弱い)

 以上が、特化係数の説明ですが、次から、実際に計算した例を紹介します。

データ

 特化係数は、いろいろなデータで計算できますが、今回は、2018年の県民経済計算の経済活動別県内総生産を用いて計算しています。

  内閣府『県民経済計算(平成18年度 – 平成30年度)(2008SNA、平成23年基準計数)

 計算方法としては、都道府県別・全県のデータについて、産業別の比率をとり、例えば、第1次産業ならば

  ある都道府県の第1次産業の比率 ÷ 全県の第1次産業の比率

という形で計算しています。

結果

 特化係数を計算した結果としては、次の通りです。

 例えば、北海道の特化係数は、第1次産業が4.2、第2次産業は0.6、第3次産業は1.1となっており、北海道は第1次産業が特化している地域と言えます。逆に、東京都などは第1次産業が0.0、第2次産業は0.5、第3次産業は1.2で、第1次産業は全く弱く、第3次産業が特化している地域となっています。

第1次産業第2次産業第3次産業
北海道
4.2
0.6
1.1
青森県
4.6
0.8
1.1
岩手県
3.4
1.1
0.9
宮城県
1.4
0.9
1.0
秋田県
3.3
0.8
1.0
山形県
3.3
1.2
0.9
福島県
1.6
1.3
0.9
茨城県
2.0
1.5
0.8
栃木県
1.7
1.7
0.7
群馬県
1.3
1.5
0.8
埼玉県
0.4
1.0
1.0
千葉県
1.0
0.9
1.0
東京都
0.0
0.5
1.2
神奈川県
0.1
0.9
1.0
新潟県
1.8
1.1
1.0
富山県
0.9
1.4
0.8
石川県
0.9
1.1
0.9
福井県
0.8
1.3
0.9
山梨県
1.8
1.4
0.8
長野県
1.9
1.3
0.9
岐阜県
0.8
1.2
0.9
静岡県
0.8
1.6
0.8
愛知県
0.4
1.5
0.8
三重県
1.0
1.6
0.7
滋賀県
0.6
1.8
0.7
京都府
0.4
1.1
1.0
大阪府
0.1
0.8
1.1
兵庫県
0.5
1.0
1.0
奈良県
0.6
0.8
1.1
和歌山県
2.3
1.2
0.9
鳥取県
2.6
0.8
1.1
島根県
1.9
0.9
1.0
岡山県
1.0
1.3
0.9
広島県
0.6
1.2
0.9
山口県
0.6
1.5
0.8
徳島県
1.9
1.3
0.9
香川県
1.4
1.0
1.0
愛媛県
1.9
1.1
1.0
高知県
3.9
0.6
1.1
福岡県
0.8
0.7
1.1
佐賀県
2.6
1.2
0.9
長崎県
2.6
0.9
1.0
熊本県
3.2
1.0
1.0
大分県
2.0
1.2
0.9
宮崎県
4.9
0.9
1.0
鹿児島県
5.0
0.8
1.0
沖縄県
1.3
0.6
1.1

 そして、特化している産業ごとに、都道府県を分けると、次のようになります。
 (なお、バランス型は、第1次産業~第3次産業すべてで1に近く、ほぼ全県の比率と同じパターンです)

第1次産業特化北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、香川県、熊本県、宮崎県
第2次産業特化埼玉県、富山県、福井県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、兵庫県、広島県、山口県
第3次産業特化東京都、神奈川県、大阪府、奈良県、福岡県
第1次・第2次産業特化山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、新潟県、山梨県、長野県、和歌山県、岡山県、徳島県、愛媛県、佐賀県、大分県
第1次・第3次産業特化鳥取県、島根県、高知県、長崎県、鹿児島県、沖縄県
バランス型千葉県、石川県

 第1次産業が特化している都道府県としては東北地方が、第2次産業が特化している都道府県は中部地方が多い傾向があり、第3次産業が特化しているのは大都市の都道府県が多くなっています。

 一番多いのは、第1次・第2次産業がともに特化しているところです。少し面白いのが、第1次産業と第3次産業が特化しているところとして、人口が少ない都道府県が多く入っている点ですね。

エクセルデータ

 実際に計算したほうが理解しやすいことが多いと思いますし、実際の統計数値で見たほうがおもしろい部分があるかと思います。

 シートは、2つのシートから構成されています。

 1つは、「平成30年度(2018)」というシートで、統計データが入っています。

 もう1つは、「特化係数」というシートで、特化係数を計算しているシートになっています。

 このシートのセルを覗いて、どのように計算しているかを見ていただければと思います。

 無料ですので、実際にダウンロードして、エクセルの計算も体験していただけたらと思います。

   ダウンロード

スポンサーリンク
タイトルとURLをコピーしました