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投稿地域経済学入門

ホテリング・モデルについて

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空間的競争理論の基本的なモデルである「ホテリング・モデル」について説明します。
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概要

 ホテリング・モデル(Hotelling Model)とは、アメリカの経済学者ハロルド・ホテリング(Harold Hotelling)によって、提示された2企業間の立地競争モデルです。

 のちに、アロンゾによって、「海水浴場のアイスクリーム屋の競争」という形で紹介され、よく知られるようになったと言われています。

ホテリング・モデル

前提

 海水浴場にA・Bという2つのアイスクリーム屋がアイスクリームを販売するとします。ただ、アイスクリームの質や価格は全く同じです。

 客は、海水浴場に一直線に均等に並んでいるものとして、その選好もすべて同じとします。
 (下のLとRは端を意味しています。)

  L|○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○|R

 このとき、アイスクリーム屋A・Bはどのように立地するのかを考えます。

立地1

 例えば、下のようにAとBが店舗を立地したしましょう。

                 A  m  B
  L|○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○|R

 このとき、アイスクリームに違いはなく、客も同質的なので、AはAの左側の客とAとBの中間mの客を得ることができます。BはAとBの中間mの客とBの右側の客を得ることができます。
 つまり

  A … Lからmの客
  B … mからBの客

を得ることになります。

立地2

 立地1の場合から、AはよりBの客を奪おうと右に店舗を移し、BはAの客を奪おうと左に店舗を移動させたとしましょう。
 この結果、次のようになったとします。

           B    m    A
  L|○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○|R

 このときには、それぞれの客は、次のようになります。

  A … mからRの客
  B … Lからmの客

ナッシュ均衡

 立地1や立地2のように、競争を繰り返していくと、結局、AとBはどのように立地するのでしょうか。
 アイスクリームや客は同質なので、客を半分ずつ分け合うようになりますが、立地として中央で分け合う形になります。

                  AB
  L|○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○|R

 これにより、Aは左側の客をすべて、Bは右側の客をすべて得ることができます。
 
  A … LからAの客
  B … BからRの客

 そしてこれは「ナッシュ均衡」になっています。

 Aの場合で考えれば、この状態からAが左側に移動すれば、客は減るのでそのような行動はとりません。また、Bの右側に行っても、その右側の客を奪えるだけで客が増えることはありません。

 このように、ホテリング・モデルでは、中央で2つの企業は客を分け合うことになるとされます。

社会的最適解

 ただ、ナッシュ均衡の形は、必ずしも社会的に最適であるとは言えません。
 なぜならば、客の立場で考えれば、LやR付近の端にいる客は、真ん中のほうまで、アイスクリームを買いに行く必要があるからです。
 このとき、社会的に望ましいのは、次のように、Aは左側から4分の1の地点、Bは右側から4分の1の地点に立地することです。

           A       m       B
  L|○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○|R

 端の客はナッシュ均衡よりも近いところでアイスクリームを買うことができ、AとBは客を半分で分け合うことにもなるからです。

  A … Lからmの客
  B … mからRの客
  

まとめ

 このように、ホテリング・モデルでは、2企業は市場の中央で隣接して立地することになります。

 ただこれは、社会的には必ずしも最適であるとは言えない点にも注意する必要があります。

参考

  山田浩之・徳岡一幸編『地域経済学入門

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