ある消費者が一期目に100の所得があり、その一部を一期目に消費し、残りを貯蓄するものとします。
二期目には、一期目に貯蓄しただけ消費するものとし、貯蓄にあたっては、利子率が10%発生するとします。
このとき、一期目の消費を$c_1$、二期目の消費を$c_2$とすると、この個人が、次のような効用関数$u(c_1 \, , \, c_2)$の場合、一期目と二期目の消費はそれぞれどうなりますか。
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【問題1】
$u(c_1 \, , \, c_2) = c_1 c_2$
【回答1】
貯蓄を$s$とすると、一期目と二期目のそれぞれの予算制約式は、次のようになります。
一期目:$c_1 + s = 100$
二期目:$1.1 s = c_2$
この式から、$s$を整理すると、
$c_1 + \dfrac{1}{1.1} c_2 = 100$
となり、効用関数に代入すると、
$u(c_1 \, , \, c_2) = c_1 c_2 = (100 \; – \; \dfrac{1}{1.1} c_2) c_2$
となり、これを微分します。
$\dfrac{\partial u}{\partial c_2} = 100 \; – \; \dfrac{2}{1.1} c_2 = 0$
この式を解くと、
$c_2 = 55$
であり、上記の予算制約式に代入すると、
$c_1 = 50$
を得ることができます。
【問題2】
$u(c_1 \, , \, c_2) = \ln c_1 + \ln c_2$
【回答2】
予算制約式は、問題1と変わりませんが、効用関数が少しややこしい感じです。
そこで、ラグランジュ乗数法を使って解くことを考えます。
(ラグランジュ未定乗数法については、「経済学でよく使われる「ラグランジュの未定乗数法」の公式」)
すなわち、
$L = \ln c_1 + \ln c_2 + \lambda(c_1 + \dfrac{1}{1.1} c_2 \; – \; 100)$
について、$c_1 \, , \, c_2$で微分することを考えます。
$\dfrac{\partial L}{\partial c_1} = \dfrac{1}{c_1} + \lambda = 0$
$\dfrac{\partial L}{\partial c_2} = \dfrac{1}{c_2} + \dfrac{1}{1.1} \lambda = 0$
となるので、$\lambda$を消去すると、
$\dfrac{c_2}{c_1} = 1.1 $
が得られます。これを予算制約式に代入すると、
$c_1 + \dfrac{1}{1.1} 1.1 c_1 = 100$
から、
$c_1 = 50$
であり、
$c_2 = 55$
となります。
※この問題について、一般的なモデルを知りたい方は、「消費者行動における異時点間の消費について」も見てください。