経済学でよく使われる「ラグランジュの未定乗数法」の公式

経済学で最適化を行う際に、目的関数に制約式がある場合に「ラグランジュの未定乗数法」が使われます。この公式について、説明しています。

概要

 経済学において、最適化の問題は重要です。
 この場合に、微分が用いられるのですが、制約がある場合には、単純に微分を用いることはできません。

 そこで用いられるのが、「ラグランジュ(Lagrange)の未定乗数法」です。

ラグランジュの未定乗数法

 n個の変数 x_1, \cdots ,x_n について、m 個の制約式があり、目的関数の解を求めたいとしましょう。
 すなわち、次式を解きたいと考えるとしましょう。

  \max  u(x_1, \cdots ,x_n)
  s.t. f_1(x_1, \cdots ,x_n)=0, \cdots , f_m(x_1, \cdots ,x_n)=0 (m \textless n)

 このとき、ラグランジュ関数 Lを 用いて、次式を作ります(なお、このラグランジュ関数 L「ラグランジアン」と呼ばれたりもします)。

  L(x_1, \cdots ,x_n, \lambda_1 , \cdots , \lambda_m) = u + \lambda_1 f_1 + , \cdots , + \lambda_m f_m

 そして、ラグランジュ関数 L について、変数 x_i 、ラグランジュ乗数 \lambda_j で偏微分すると、次のような一階の条件が得られます。

  \dfrac{\partial u}{\partial x_1} + \lambda_1 \dfrac{\partial f_1}{\partial x_1} + , \cdots , + \lambda_m \dfrac{\partial f_m}{\partial x_1} = 0
      \vdots
  \dfrac{\partial u}{\partial x_n} + \lambda_1 \dfrac{\partial f_1}{\partial x_n} + , \cdots , + \lambda_m \dfrac{\partial f_m}{\partial x_n} = 0
  f_1 = 0
    \vdots
  f_m = 0

制約式が1つの場合

 上記は、制約式が m 式ありましたが、基本的な経済モデルにおいては、制約式が1つの場合( m=1 )が多いです。
 このときには、次のような極値問題になります(なお、経済学っぽく、制約式に 0 ではなく、定数 E をつけてます)。

  \max  u(x_1, \cdots ,x_n)
  s.t. f(x_1, \cdots ,x_n)=E

 ラグランジュ関数 L は、次のようになります。

  L(x_1, \cdots ,x_n, \lambda) = u(x_1, \cdots ,x_n) + \lambda (E - f(x_1, \cdots ,x_n))

 そして、上記と同様に変数 x_i 、ラグランジュ乗数 \lambda で偏微分すると、次のような一階の条件が得られます。

  \dfrac{\partial u}{\partial x_1} - \lambda \dfrac{\partial f}{\partial x_1} = 0
      \vdots
  \dfrac{\partial u}{\partial x_n} - \lambda \dfrac{\partial f}{\partial x_n} = 0
  E - f(x_1, \cdots ,x_n) = 0

ラグランジュ乗数 \lambda について

 ラグランジュ乗数 \lambda は、「シャドープライス」「潜在価値」と言われたりします。
 なぜならば、制約式が1つの場合で考えると

  \dfrac{\partial u}{\partial E} = \lambda

が成立するからです。すなわち、定数 E が増加したときの目的関数 u への影響が、ラグランジュ乗数 \lambda だからです。

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