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ジョルゲンソンの投資理論について

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投稿マクロ経済学初級
経済学における投資理論の1つであるジョルゲンソンの投資理論について、説明しています。
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ジョルゲンソンの投資理論

 どのように投資が決定されるかという投資理論において、ジョルゲンソンの投資理論というものがあります。

 もともと、$t$期の投資を$I_t$、資本を$K_t$、望ましい資本を$K^*$とすると、

  $I_t = K_t^* \; – \; K_{t-1}$

という、「新古典派の投資理論」というものがありました。これは、望ましい資本量と前期の資本量との差の分、投資が行われると考えるものです。

   新古典派の投資理論について

 しかし、式を見てわかるように、望ましい資本量と前期の資本量がすべて投資として実現されるというのは、現実的ではないでしょう。

 望ましい資本$K^*$と現在の資本の間に乖離があっても、投資するには資金が必要であったり、投資をスタートさせても、それが終わるには時間がかかります。

 そこで考えられたのが、ジョルゲンソンの投資理論で、次のような式を考えます。

  $I_t = \lambda (K_t^* \; – \; K_{t-1}) \quad (0 < \lambda < 1)$

 $\lambda$というパラメーターが入っており、望ましい資本量と前期の資本量の差が投資としてすぐに実現されるようになっていません。$\lambda$は、「投資の調整速度」と言い、望ましい資本量に近づくため、時間がかかることを想定した理論となっています。

 この点で、新古典派の投資理論よりも現実的なモデルになっているといえるでしょう。

   ジョルゲンソンの投資理論における推計方法

問題点

 ただ同時に、投資の調整速度$\lambda$が一定というのは、現実的とは言えないでしょう。望ましい資本量を実現するため、毎期、同じだけの調整速度がかかるとは考えにくいからです。

 また、調整速度がかかるのであるならば、望ましい資本量は$t$期における資本量ではなく、将来的に望ましい資本量で考える必要があります。しかし、ジョルゲンソンの投資理論ではそのような考えは組み入れられておらず、望ましい資本量は固定的でもあります。

 このようなことから、ジョルゲンソンの投資理論においても、問題があるとされています。

参考

  福田慎一・照山博司『マクロ経済学・入門

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