計算式
通常、複利については、離散時間で計算することが多いと思います。
つまり、$r$を金利、$t$を年数、元本を$A_0$、$t$年後の資産を$A_t$とすると、
$\displaystyle A_t = (1 + r)^t A_0$
という式を使うことになります(金利を$R$%としたとき、$r=R/100$で、少数で表現しています)。
ただ、連続時間の場合には、次のような式になります。
$\displaystyle A_t = e^{rt} A_0$
導出方法
連続時間の場合の計算式について、導出方法を説明します。
まずは、1年間において、$m$回に分けて複利運用するとしたら、上記の離散時間の式を想定すると、
$\displaystyle A_t = \left[ \left( 1 + \dfrac{r}{m} \right)^m \right]^t A_0$
となります。$(1 + r/m)^m$の部分については、$m$回に分けるので、そのときの金利は$r/m$であり、複利なので$m$回の累乗を行っています。
そして、$n=m/r$とすると、
$\displaystyle A_t = \left[ \left( 1 + \dfrac{1}{n} \right)^{n} \right]^{rt} A_0$
となります。
ここで、ネイピア数の定義において、
$\displaystyle e = \lim_{n \leftarrow \infty} \left( 1 + \dfrac{1}{n} \right) \approx 2.718281828$
という式があるので、これを上記の式に使うと、
$\displaystyle A_t = e^{rt} A_0$
となり、連続時間における金利の計算式を得ることができます。
参考
藤木裕『金融の基礎』