プライマリー・ディーラー制度
日本銀行は、金融政策の1つとして、売りオペや買いオペなどを実施しています。
日本銀行が行うオペレーションについて、基本的には入札制度によって、その取引先となる金融機関が決定されます。
ただ、この入札に参加できる金融機関は、金融機関ならばどこでも可能というわけではなく、事前公募で日本銀行が選んだ先の金融機関しか、入札に参加することはできません。
このように、日本銀行が行う入札にあたって、一定の基準をクリアした金融機関しか参加できない仕組みを「プライマリー・ディーラー制度」と言います。なお、この制度を日本銀行では、「国債市場特別参加者制度」と言っています。
財務省「国債市場特別参加者制度」
資格と責任
一部の金融機関しか参加できないことから、それだけである種のステータスがあるわけですが、この特別参加者になると、次のような資格が与えられます。
・国債市場特別参加者会合への参加資格
・買入消却入札への参加資格
・分離適格振替国債(ストリップス債)の分離・統合申請資格
・第ローマ数字1非価格競争入札及び第ローマ数字2非価格競争入札への参加資格
・流動性供給入札への参加資格
・金利スワップ取引への優先的な参加資格
半面、次のような責任が課せられます。
・応札責任
・落札責任
・流通市場における責任
・情報提供
特別参加者
2023年9月5日現在、次のような金融機関が、特別参加者となっています。
・SMBC日興証券株式会社
・岡三証券株式会社
・クレディ・アグリコル証券会社 東京支店
・クレディ・スイス証券株式会社
・ゴールドマン・サックス証券株式会社
・JPモルガン証券株式会社
・シティグループ証券株式会社
・ソシエテ・ジェネラル証券株式会社
・大和証券株式会社
・ドイツ証券株式会社
・東海東京証券株式会社
・野村證券株式会社
・バークレイズ証券株式会社
・BNPパリバ証券株式会社
・BofA証券株式会社
・株式会社みずほ銀行
・みずほ証券株式会社
・株式会社三井住友銀行
・三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社
・モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社
参考
財務省「国債市場特別参加者制度」
小林照義『金融政策』