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投稿金融論初級

効率的市場仮説について

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効率的市場仮説において、いくつかの効率性の考えがあり、それらを説明しています。
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はじめに

 金融市場において、資産価格はその資産の情報に基づいて、価格が決定されるとされます。

 ところが、資産の情報をすべて投資家が把握しているとは限らず、その情報の把握や入手状況に応じて、様々な価格決定が行われていると考えられます。

 このとき、ある資産について、どこまで投資家が資産情報を入手して行動しているかが、気になるところです。そしてそれに対する考えとして、「効率的市場仮説」というものがあります。

効率的市場仮説

完全情報

 投資家が資産についてすべての情報を把握し、瞬時にその情報に応じて行動し、影響が価格に反映される場合、その市場は「効率的市場」(efficient market)と呼ばれます。

 現実的にはありえない市場でしょうが、理論的(想像的?)にはこのような市場は想定されます。

 このとき、資産価格は過去・現在すべての情報が織り込まれたものなので、価格は変化しません。ただ、現在入手できないランダムな情報のみによって、資産価格は変動することになります。

 すなわち、効率的市場のもとでは、資産価格の変動は、ランダムに変化が起こるだけになります(「ランダム・ウォーク仮説」と言います)。

ウィーク・フォーム(弱度)の効率性

 ウィーク・フォームの効率性(Weak-form Efficiency)は、過去の資産価格のみが情報として利用され、その情報が現在の株価に反映されている状態を指します。

 逆に言えば、現在の株価は過去の資産価格の情報は織り込み済みなので、将来の株価を予想するにあたり、過去の資産価格の情報は無意味となります。

 このため、「過去の価格は安めだったから今後は価格は上昇するだろう」などといった話は通じず、チャート分析などのテクニカル・アナリシスなどを行っても、利益を得る余地はなくなります。

 なお、ウィーク・フォームの効率性が成立しているかどうかは、毎期の収益率が独立しているかどうかで検証されます。

セミストロング・フォーム(準強度)の効率性

 セミストロング・フォームの効率性(Semi-strong Form Efficiency)では、すべての公開情報を対象して、瞬時に価格が形成されると考えます。
 公開情報としては、GDPやインフレ率など、企業の収益に影響を与えるものから財務情報など、すべてが対象となります。

 セミストロング・フォームの効率性が成立していれば、企業の基礎的な状態から価格を予想するファンダメンタル分析は役に立たないことになります。
 なぜならば、財務情報が公開されれば、瞬時に価格に反映されるため、情報公開後の価格の動きはランダムになると考えられるからです。

 なお、セミストロング・フォームの効率性が成立しているかどうかは、資本政策などの情報が公開されたときに、価格が瞬時に変化し、その後の値動きはランダムかどうかで検証されたりします。

ストロング・フォーム(強度)の効率性

 ストロング・フォームの効率性(Strong-form Efficiency)では、公開情報のみならず、内部情報などを含めた非公開情報の対象として、現在の価格が形成されるとされます。

 このため、ストロング・フォームの効率性が成立していれば、インサイダー情報をもっていても、それにより超過的な収益を上げることはできないことになります。

 なお、ストロング・フォームの効率性が成立しているかどうかは、非公開情報を知りうるプロの投資家が平均以上の収益率を上げているかどうかで検証されたりします。

最後に

 何らかの効率性を満たしていれば、その後の資産価格の動きはランダムになるというのが、大きなポイントです。

 また、効率的市場仮説は金融論においても、理論的には非常に重要な考えであるとも言えます。

 ただ現実に、株などの金融資産を購入しようと思ったとき、市場が効率的であることを前提に、金融資産を購入することはないようにも思えたりもしますが。

参考

  釜江廣志(編集)『入門証券市場論

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