離散型の割引率
通常の離散型の割引率について、期の価値を
、利率を
、各期の利得を
とすると、次のような式になります。
なお、利得は毎期同じであるとし、という定数になっています。
ところで、式はあくまでも離散型の式であり、連続時間のものではありません。
動学モデルでは連続時間のモデルも多く、いきなり連続型の割引率が使われたりもしています。
そこで、連続型の割引率について、改めて掲載し、その導出方法を説明します。
連続型の割引率
数式の記号については、離散型と同じとすると、連続型の割引率は、次のようになります。
導出方法
式を見ると、利得
が指数的に割り引かれているという感じで、直観的には理解できるのですが、
式から、その導出方法を説明します。
まず、連続時間では微小な単位で複利計算がなされるので、期を、更に
分割すると、次のようになります。
この部分は、直観的には理解しにくい感じがあるので、例を加えましょう。
年利を半年で複利で割り引くことを考えると、利率は半分になり、2回割り引くことになるので、
となります。同様に、年利を四半期で複利で割り引くことを考えると、利率は4分の1になり、4回割り引くことになるので、
となります。このように考えると、式のような形になります。
そして、式の分割を極小にすることで、連続型に変形することができます。具体的には、
式の
を無限大にすればいい形です。
ここで、テクニックとして、
を定義します。これを式に代入すると、
となります。
ここで、指数の定義として、次のようなものがあります(上記でテクニックとしてと書いたのは、次の式を使うためです)。
これを式に使うと、
となり、式が導出できます。