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ベイズの定理について

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投稿統計学中級
統計学や確率論などで出てくる「ベイズの定理」について、その証明も含めて説明しています。
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ベイズの定理

 ベイズの定理とは、$n$個の事象$B_i$があり、$\Omega$を標本空間としたとき、

  ・事象$B_1 \, , \, B_2 \, , \, \cdots \, , \, B_n$は互いに排反 ($B_i \cap B_j = \phi \; (i \neq j)$)
  ・$B_1 \, \cup \, B_2 \, \cup \, \cdots \, \cup \, B_n = \Omega$

であるとき、任意の事象$A$について、

  $P(B_i \, | \, A) = \dfrac{P(A \, | \, B_i) P(B_i)}{P(A)} \quad \cdots \quad (1)$

        $= \dfrac{P(A \, | \, B_i) P(B_i)}{\displaystyle \sum_{j=1}^n P(A \, | \, B_j) P(B_j)} \quad \cdots \quad (2)$

が成り立つというものです。

 なお、$(1)$と$(2)$では、分母の部分が異なっています。

証明

(1)の証明

 条件つき確率の定義から、

  $P(B_i \, | \, A) = \dfrac{P(A \cap B_i)}{P(A)}$

であり、分子に乗法公式を使うと、

  $P(B_i \, | \, A) = \dfrac{P(A \cap B_i)}{P(A)} = \dfrac{P(A \, | \, B_i) P(B_i)}{P(A)}$

となり、$(1)$式を得ることができます。

 なお、条件つき確率の定義や乗法公式については、「条件つき確率とは」を参考にしてください。

(2)の証明

 $(1)$式と$(2)$において、分子は同じなので、分母について、次が成立していることを証明すればいいことになります。

  $P(A) = \displaystyle \sum_{j=1}^n P(A \, | \, B_j) P(B_j) \quad \cdots \quad (3)$

 まずは、事象$B_i$について、$B_1 \, \cup \, \cdots \, \cup \, B_n = \Omega$と$B_i \cap B_j = \phi$という仮定に注意すると、

  $A = A \cap \Omega = A \cap (B_1 \, \cup \, \cdots \, \cup \, B_n) = (A \cap B_1) \cup \, \cdots \, \cup (A \cap B_n)$

  $(A \cap B_i) \cap (A \cap B_j) = \phi \; (i \neq j)$

を得ることができます。

 この式から、乗法公式を考慮すると、

  $P(A) = P(A \cap B_1) + \, \cdots \, + P(A \cap B_n) = P(A \, | \, B_1) P(B_1) + \, \cdots \, + P(A \, | \, B_n) P(B_n)$
     $= \displaystyle \sum_{j=1}^n P(A \, | \, B_j) P(B_j)$

となり、$(3)$式が成り立っていることから、$(2)$式も成立していることが分かります。

参考

  中村隆英『統計入門

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