条件つき確率
2つの事象$A$と$B$があるとき、事象$A$が起こったという条件のもとで、$B$が起こる確率を条件つき確率$P(B \, | \, A)$と言い、
$P(B \, | \, A) = \dfrac{P(A \cap B)}{P(A)}$ ただし、$P(A) > 0$
のように定義されます。
条件つき確率の性質
条件つき確率においても、一般的な確率の性質を満たしています。
$\Omega$を標本空間、$\phi$を空事象とすると、次に成り立っています。
1.$0 \leq P(B \, | \, A) \leq 1$
2.$P(\phi | \, A) = 0$
3.$P(\Omega | \, A) = 1$
4.$B_1 \cap B_2$ならば、$P(B_1 \cup B_2 | \, A) = P(B_1 \, | \, A) + P(B_2 \, | \, A)$
乗法公式
条件つき確率の定義から、次のような式が得られ、これを「乗法公式」と言います。
$P(A \cap B) = P(B \, | \, A) \cdot P(A)$
$= P(A \, | \, B) \cdot P(B)$
なお、事象が$n$個ある場合には、この乗法公式は、次のようになります。
$P(A_1 \cap A_2 \cap \, \cdots \, \cap A_n) = P(A_1) \cdot P(A_2 \, | \, A_1) \cdot P(A_3 \, | \, A_1 \cap A_2) \, \cdot \, P(A_n \, | \, A_1 \cap A_2 \cap \, \cdots \, A_{n-1})$
参考
中村隆英『統計入門』