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プロスペクト理論における価値関数の数学的表現

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投稿行動経済学中級
行動経済学のプロスペクト理論における価値関数について、数学的にどのような関数になるのかを説明しています。
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はじめに

 プロスペクト理論を学んだときに出てくるのが、下図のような価値関数です。



 参照点である0を基準にして、xがプラスになるときには価値関数v(x)は緩やかにしか増加しないのに対して、xがマイナスになるときには価値関数v(x)は大きな下落を示すというもので、人間の損失回避行動を表しているとして、よく知られたものです。

 ところで、この価値関数について、数学的にはどのような表現になるのでしょうか。

価値関数の数学的表現

 価値関数については、数学的には、例えば次のような関数で表現されます。

  $\begin{equation} v(x)=
\begin{cases}
x^\alpha & (x > 0のとき) \\
0 & (x = 0のとき) \\
– \lambda (-x)^\beta & (x < 0のとき) \end{cases} \end{equation}$

 なお、定数$\alpha , \, \beta , \, \lambda$は、$\alpha > 0$、$\beta > 0$、$\lambda \geq 0$です。

 $x > 0$の場合には、相対的リスク回避度が一定の効用関数と同じもので、定数$\alpha$で関数の形状が変わる形になっています。

 $x < 0$の場合は、$x > 0$のときと同じような感じですが、定数$\lambda$がついています。この定数により、xがプラスのときよりもマイナスのときのほうが負の効用が大きくなるようになっており、この$\lambda$は「損失回避度」と言われます。
 損失回避度が大きいほど、マイナスになったときに、負の効用が大きくなってしまいます。

参考

  川越敏司『「意思決定」の科学

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