はじめに
プロビット・モデルやロジット・モデルなどにおいては、非線形モデルを推定することになるので、通常のOLSの決定係数や修正済み決定係数を使うことができません。
しかし、推定を行う以上、モデルの当てはまりがきになるところです。
このようなときに使われるのが、尤度比指数(LRI)です。
尤度比指数(LRI)
プロビット・モデルやロジット・モデルにおいては、最尤法を用いて、モデルの推定が行われます。
そして、最尤法を使うときには、対数尤度関数を最大化することになりますが、そのときに
$\ln \hat{L}$:最大化された対数尤度
$\ln \hat{L}_0$:説明変数が定数項のみで推定し最大化された対数尤度
を求めて、次のような尤度比指数(LRI)を計算します。
$LRI = 1 \; – \; \dfrac{\ln \hat{L}}{\ln \hat{L}_0}$
LRIは0から1の値をとることが知られているので、
LRIが1に近い ⇒ モデルに説明力がある
LRIが0に近い ⇒ モデルに説明力がない
と考えられます。
この意味については、LRIが0に近いということは、$\ln \hat{L} = \ln \hat{L}_0$であり、最尤法で推定された係数のパラメーター$\beta_i$が
$\beta_1 = \; \cdots = \beta_K = 0$
ということを示すことになるからです。
参考
黒住英司『計量経済学』