はじめに
経済学を学び始めたとき、最初のほうにミクロ経済学を学ぶことが多いと思います。
ただ、消費者行動や効用など、よく分からない話が出てきたり、数式が出てきたりして、
「ややこしい」
「難しい」
「何でこんなことを勉強しなきゃいけないの」
「役に立たない」
と思ったりもすると思います。
正直言えば、ミクロ経済学を学んでも、日常生活で役に立つかと言えば、そうではないことが多いですし、経済を詳しく知りたいと思っても、ミクロ経済学を使うかと言えば、そうではありません。
しかし、より専門的に経済学を勉強しようと思ったときには、必須とも言えます。
この点を踏まえ、個人的に、ミクロ経済学を学ぶ必要性や意義を述べたいと思います。
必要性・意義
まずは、経済学のどのような分野でも、多くの場合、ミクロ経済学の理論・考えをベースに、議論が組み立てられています。
ですので、結果だけを知りたければ、問題はないのですが、なぜそのような結果になるのかといった部分に立ち入ったとき、ミクロ経済学がベースになっており、ミクロ経済学を勉強していなければ、そのロジックを追うことはできなくなります。
例えば、マクロ経済学において、ケインズ経済学は別として、ラムゼーの最適成長理論以降のマクロ経済理論を勉強するには、ミクロ経済学の知識は必要になります。
2つは、いい意味でも悪い意味でも、ミクロ経済学は数学的なので、ミクロ経済学を学びながら、数学を勉強することになります。経済学は他の分野でも、数学が多く出てくることから、ミクロ経済学で学んだ数学は、他の分野でも役立ったりもします。
(ただ、ミクロ経済学で使われますが、他の経済分野ではあまり使われない数学があったり、ミクロ経済学だけでは対応できない数学もあるので、注意が必要です)
3つは、経済学では理論モデルを数式で構成しますが、ミクロ経済学を学ぶことで、数式によるモデル化の訓練になります。
他の経済学の分野でも、モデル化が行われますが、ある意味、厳密であったりもしますし、モデル化の基礎となるのは間違いありません。
最後に
ただ逆に言えば、上記のような必要性を感じなければ、むしろミクロ経済学は不要ともいえるかもしれません。
「とりあえず、理論や分析の結果だけを知りたい」
「数学やモデル化は不要」
といった場合です。
一般生活でミクロ経済学が使われたりすることはあまりなく、経済を語るとしても、理論の結論は重要ですが、そのロジックはあまり語られないことも多いので、その意味では不要といえるでしょう。
ただ逆に、より経済学を学ぶため、そして上記の必要性や意義を感じるならば、しっかりとミクロ経済学は勉強しておく必要があります。