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相関係数がなぜ-1から1の間の数字になるのか(数式)

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投稿統計学中級
統計学において、相関係数は-1から1の間の値をとりますが、なぜそうなるのかを、数式で説明・証明します。
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 2つの確率変数$X \, , \, Y$があるとき、それぞれの平均を$\mu_X \, , \, \mu_Y$、分散を$\sigma^2_X \, , \, \sigma^2_Y$とします。

 共分散を$\sigma_{XY}$とすると、相関係数$\rho$は、次のような式になります。

  $\rho = \dfrac{\sigma_{XY}}{\sigma_X \sigma_Y}$

 そして、次のように相関係数は-1から1の値をとります。

  $-1 \leq \rho \leq 1$

 ところで、なぜ、相関係数が-1から1の値となるのかを説明します。

 まずは、

  $E \left( \left( \dfrac{X \; – \; \mu_X}{\sigma_X} \pm \dfrac{Y \; – \; \mu_Y}{\sigma_Y} \right)^2 \right) = E \left( \dfrac{(X \; – \; \mu_X)^2}{\sigma_X^2} \pm \dfrac{(X \; – \; \mu_X)(Y \; – \; \mu_Y)}{\sigma_X \sigma_Y} + \dfrac{(Y \; – \; \mu_Y)^2}{\sigma_Y^2} \right)$

      $= \dfrac{E((X \; – \; \mu_X)^2)}{\sigma_X^2} \pm \dfrac{E((X \; – \; \mu_X)(Y \; – \; \mu_Y))}{\sigma_X \sigma_Y} + \dfrac{E(Y \; – \; \mu_Y)^2)}{\sigma_Y^2}$

となります。

 ここで、この式の第1項から第3項は、次のように計算されます。

  第1項:$\dfrac{E((X \; – \; \mu_X)^2)}{\sigma_X^2} = 1$

  第2項:$\dfrac{E((X \; – \; \mu_X)(Y \; – \; \mu_Y))}{\sigma_X \sigma_Y} = \dfrac{\sigma_{XY}}{\sigma_X \sigma_Y} = \rho$

  第3項:$\dfrac{E(Y \; – \; \mu_Y)^2)}{\sigma_Y^2} = 1$

 これらのことから、

  $E \left( \left( \dfrac{X \; – \; \mu_X}{\sigma_X} \pm \dfrac{Y \; – \; \mu_Y}{\sigma_Y} \right)^2 \right) = 1 \pm 2\rho + 1 = 2( 1 \pm \rho)$

を得ることができます。

 ところで、

  $E \left( \left( \dfrac{X \; – \; \mu_X}{\sigma_X} \pm \dfrac{Y \; – \; \mu_Y}{\sigma_Y} \right)^2 \right) \geq 0$

なので、

  $2( 1 \pm \rho) \geq 0$

なので、

  $-1 \leq \rho \leq 1$

となります。

参考

  国沢清典・羽鳥裕久『数理統計演習

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