ある企業は$x$財を生産し、次のような費用関数に直面しているとする。
$\displaystyle c = \dfrac{x^2}{10} + 2x + 5$
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【問題1】
$x$財の価格を$p$とすると、この企業の供給関数は、どのようになるか?
【回答1】
この企業の利潤関数$\pi$は
$\displaystyle \pi = px \; – \; \dfrac{x^2}{10} \; – \; 2x \; – \; 5$
となり、利潤最大化条件より、
$\displaystyle \dfrac{d\pi}{dx} = p \; – \; \dfrac{x}{5} \; – \; 2 = 0$
から、式変形すると、次のような供給関数を得ることができる。
$\displaystyle p = \dfrac{x}{5} + 2$
【問題2】
$x$財の市場価格が$8$のとき、この企業の生産量と利潤はどうなるか?
【回答2】
$p=8$を供給関数に代入すると、
$8 = \dfrac{x}{5} + 2$
から、生産量は$30$となります。
更に、これらの価格と生産量を利潤関数に代入すると、
$\displaystyle \pi = 8×30 \; – \; \dfrac{30^2}{10} \; – \; 2×30 \; – \; 5 = 85$
から、この企業の利潤は$85$となります。
【問題3】
この企業の生産者余剰$PS$を計算せよ。
【回答3】
生産量が$0$のときの価格は$p=2$であり、価格が$8$のときの生産量は$30$であることから
$\displaystyle PS = (8 \; – \; 2) × 30 × \dfrac{1}{2} = 90$
となり、生産者余剰は$90$であることが分かる。
(別解)
生産者余剰は、企業の利潤と固定費用を合計したものであるから、
$\displaystyle PS = 85 + 5 = 90$
としても計算できる。