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期待収益と期待効用

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投稿ミクロ経済学初級
ミクロ経済学における期待収益と期待効用について、分かりやすく説明しています。
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 現実の社会において、人々は様々な不確実な状況のもと、行動を起こしています。ただ、不確実なので、その行動がどのような結果をもたらすかは分かりません。そのため、ある種の予想のもと、意思決定を行うことになります。

 例えば、当たりと外れのいずれかが出るくじを考えましょう。
 100枚の中から、1枚を引き、当たりが出ると1万円もらえ、外れが出ると100円もらえるとします。くじ全体には、当たりが10枚入っており、残りはすべて外れとします。

 このくじを引いたときの収益はいくらになるでしょう。1万円をもらえるときと、100円をもらえるときの2つのパターンがあり、どちらになるかは分かりません。

 そこで、1つの考えが、当たりを引く確率と外れを引く確率で、それぞれのもらえる金額にウエイトをつけるという方法です。

 当たりが出るのは100枚中10枚、外れが出るのは100枚中90枚なので、当たりが出る確率は10%、外れが出る確率は90%となります。これをもらえる金額にかけたものを、予想できる収益と考えるというものです。
 計算すると、このくじは、次のように1090円の収益をもたらすと考えることができます。

  10% × 1万円 + 90% × 100円 = 1090円

 このように、2つの状況が生じる可能性があり、$p$の確率で$\pi_1$の収益、$1 \; – \; p$の確率で$\pi_2$の収益をもたらすときには、次のように収益を計算でき、これを「期待収益」と言います。

  $p \pi_1 + (1 \; – \; p) \pi_2$

 他方、これらの収益について、人がどのように受け止めるかは別物です。
 上記のくじの例で考えれば、10%の確率で当たりが出ることは確実だが、1万円を確実にもらえるわけではないので、このくじはもっと収益を低く見積もるべきと思う人もいるでしょう。逆に、10%の確率で1万円もらえるならば、是非ともチャレンジしたいと思う人もいると思います。

 このようなことを表現するため、確率によるウエイトづけはそのままで、収益そのものではなく、収益から得られる人の満足度でくじを評価しようという考えが出てきます。
 上記のくじでいえば、例えば、収益から得られる満足度を、収益の平方根で評価する場合を考えます。この場合、満足度は当たりの場合は1万円の平方根なので100円、外れの場合は100円の平方根なので10円となり、くじの評価は次のようになります。

  10% × 100円 + 90% × 10円 = 19円

 このように、収益そのものではなく、収益から得られる満足度で考えようというものが、「期待効用」になります。効用関数を$u$とすると、次のように収益を計算できます。

  $p u(\pi_1) + (1 \; – \; p) u(\pi_2)$

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