財・サービスへの課税が行われるとき、大きく分けると、従価税と従量税というものがあります。
需要価格を$p_d$、供給価格を$p_s$、需要関数を$D(p_d)$、供給関数を$S(p_s)$とすると、次のように、需要量$d$と供給量$s$を表すことができます。
$d = D(p_d) \quad , \quad s = S(p_s)$
これを前提に、従価税・従量税それぞれについて、説明したいと思います。
従価税
財・サービスの価格に一定割合の税を加算するものを、「従価税」と言います。
例えば、消費税は商品価格に10%かけたものなので、従価税にあたります。
課税前の価格を$p$、税率を$t$とすると、課税により、それぞれの価格は次のようになります。
$p_d = (1 + t)p \quad , \quad p_s = p$
そして、需要量と供給量は、次のようになります。
$d = D( (1 + t)p ) \quad , \quad s = S(p)$
課税前の量を$d \, , \, s$、課税後の量を$d^* \, , \, s^*$としたら、下図のようになります。
需要曲線の傾きが税率分だけ緩やかになり、均衡する需要・供給量は少なくなります。
価格については、本来は需要と供給が一致するところ(需要と供給のそれぞれの線が交わるところ)なのですが、次式のように、需要価格は税金$t p_s$分だけが上昇することになります。
$p_d = p_s + t p_s$
従量税
財・サービスの価格に一定割合の税を加算するものを、「従価税」と言います。
例えば、たばこ税は、1本あたり15.244円の税金が課せられているので、たばこ税は従価税となっています(ただ厳密には、更に消費税も課されているので、たばこに対しては従量税と従価税両方が課せられています)。
課税前の価格を$p$、単位当たりの税金を$T$とすると、課税により、それぞれの価格は次のようになります。
$p_d = p + T \quad , \quad p_s = p$
そして、需要量と供給量は、次のようになります。
$d = D( p + T ) \quad , \quad s = S(p)$
課税前の量を$d \, , \, s$、課税後の量を$d^* \, , \, s^*$としたら、下図のようになります。
需要曲線は税金分だけ左にシフトし、均衡する需要・供給量は少なくなります。
価格については、本来は需要と供給が一致するところ(需要と供給のそれぞれの線が交わるところ)なのですが、次式のように、需要価格は税金$T$分だけが上昇することになります。
$p_d = p_s + T$
参考
武隈愼一『ミクロ経済学』