$Y$を生産量、$K$を資本、$L$を労働力としたとき、次のようなコブ=ダグラス型生産関数があるとする。
$Y = K^{0.6} L^{0.4}$
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【問題1】
資本と労働力それぞれについて、限界生産力を求めよ。
【回答1】
資本の限界生産力、労働力の限界生産力は、それぞれ$Y$を$K \, , \, L$で微分したものなので、
$\dfrac{\partial Y}{\partial K} = 0.6 \left( \dfrac{L}{K} \right)^{0.4}$
$\dfrac{\partial Y}{\partial L} = 0.4 \left( \dfrac{K}{L} \right)^{0.6}$
となります。
【問題2】
生産要素である資本と労働力に関し、生産要素に関する限界代替率(限界変形率)を求めよ。
【回答2】
限界代替率は、資本の限界生産力と労働力の限界生産力の比なので、
$\dfrac{\partial Y / \partial K}{\partial Y / \partial L} =\dfrac{0.6 (L / K)^{0.4}}{0.4 (K / L)^{0.6}} = \dfrac{3}{2} \dfrac{L}{K}$
となります。
なお、資本の限界生産力を分母にしたときは、
$\dfrac{\partial Y / \partial L}{\partial Y / \partial K} = \dfrac{2}{3} \dfrac{K}{L}$
です。
【問題3】
資本と労働力において、代替の弾力性を求めよ。
【回答3】
このコブ=ダグラス型生産関数は、1次同次なので、生産関数を$f$とすると、代替の弾力性は次式で計算できます。
$\dfrac{f_L f_K}{Y f_{LK}}$
この式を計算すると、
$\dfrac{f_L f_K}{Y f_{LK}} = \dfrac{(0.6 (L / K)^{0.4}) \cdot (0.4 (K / L)^{0.6})}{(K^{0.6} L^{0.4}) \cdot (3/2 L^{-0.6}K^{-0.4})} = \dfrac{3/2 L^{-0.2} K^{0.2}}{3/2 L^{-0.2} K^{0.2}} = 1$
となります。
なお、この問題においては、計算をしなくても、1次同次のコブ=ダグラス型生産関数の性質の1つです。
※コブ=ダグラス型生産関数については、次も見てください。