$x$財と$y$財の2財があり、2人の個人がいるとします。
個人1の効用関数は次の通りで、初期賦存量として$x$財を$60$だけもっているとします。
$u_1(x ,\, , \, y) = x^2 y$
個人2の効用関数は次の通りで、初期賦存量として$y$財を$30$だけもっているとします。
$u_2(x ,\, , \, y) = x y^2$
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【問題1】
個人1の$x$財・$y$財それぞれの需要量はどうなりますか。
【回答1】
消費者行動における効用最大化の1階条件は、限界代替率と価格比が一致するというものなので、
$\dfrac{\partial u_1 / \partial x}{\partial u_1 / \partial y} = \dfrac{2y}{x} = \dfrac{p_x}{p_y}$
が成り立ち、整理すると、次が得られます。
$p_x x = 2 y p_y \quad \cdots \quad (1)$
他方、個人1は初期賦存量を$x$財を$60$もっているので、予算制約式は、次のようになります。
$p_x x + p_y y = 60 p_x$
$(1)$式をこの予算制約式に代入し、整理すると
$y = \dfrac{20 p_x}{p_y}$
が得られ、これを$(1)$に代入し整理すると、次のようになります。
$x = \dfrac{2 p_y y}{p_x} = 40$
以上から、個人1の財の需要量は、次のようになります。
$x= 40$、$y = \dfrac{20 p_x}{p_y}$
※ここでは、効用最大化の1階条件を用いていますが、予算制約式を効用関数に代入、微分して0としても同様の結果が得られます。
【問題2】
個人2の$x$財・$y$財それぞれの需要量はどうなりますか。
【回答2】
問題1と同様に、消費者行動における効用最大化の1階条件は、限界代替率と価格比が一致するというものなので、
$\dfrac{\partial u_2 / \partial x}{\partial u_2 / \partial y} = \dfrac{y}{2x} = \dfrac{p_x}{p_y}$
が成り立ち、整理すると、次が得られます。
$p_y y = 2 p_x x \quad \cdots \quad (2)$
他方、個人2は初期賦存量を$y$財を$30$もっているので、予算制約式は、次のようになります。
$p_x x + p_y y = 30 p_y$
$(2)$式をこの予算制約式に代入し、整理すると
$x = \dfrac{10 p_y}{p_x}$
が得られ、これを$(2)$に代入し整理すると、次のようになります。
$y = \dfrac{2 p_x x}{p_y} = 20$
以上から、個人2の財の需要量は、次のようになります。
$x = \dfrac{10 p_y}{p_x}$、$ y =20$
【問題3】
個人1と個人2が交換を行うとします。このときの均衡価格比$p_x / p_y$はどうなりますか。
【回答3】
交換経済では、それぞれの財について、初期賦存量を個人1と個人2で交換するので、次が成立します。
個人1の需要量 + 個人2の需要量 = 初期賦存量
この式から、
$x$財 : $40 + \dfrac{10 p_y}{p_x} = 60$
$y$財 : $\dfrac{20 p_x}{p_y} + 20 = 30$
が成り立ちます。そして二式いずれにおいても、均衡価格比は、
$\dfrac{p_x}{p_y} = \dfrac{1}{2} \quad \cdots \quad (3)$
となります。
【問題4】
個人1と個人2が交換を行ったとき、それぞれの個人の$x$財・$y$財の授受は、どうなりますか。
【回答4】
均衡価格比の$(3)$式を個人1と個人2の需要量に代入すると、それぞれの需要量は、次のようになります。
個人1 : $x = 40$、$y = 10$
個人2 : $x = 20$、$y = 20$
初期賦存量として、個人1は$x$財を$60$、個人2は$y$財を$30$もっているので、
個人1 : $x$財を個人2に$20$渡し、$y$財を個人2から$10$もらう
個人2 : $x$財を個人1から$20$もらい、$y$財を個人1に$10$渡す
となります。