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不均一分散におけるホワイト検定について

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投稿計量経済学初級
計量経済学において、不均一分散かどうかを検定する方法の1つであるホワイト検定について、説明しています。
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はじめに

 計量経済学の回帰分析にあたって、分散が不均一分散であるときには、古典的な回帰分析を使うことはできません。

 分散が不均一分散であることが疑われるときには、推定された分散が、不均一分散かどうかを調べる必要があります。

 このときの不均一分散かどうかを検定する方法の1つとして、代表的なのがホワイト検定(White検定)です。

ホワイト検定

モデル

 次のような重回帰モデルがあるとします。

  $y_i = \beta_1 + \beta_2 x_{2i} + \cdots \beta_k x_{ki} + \epsilon_i \quad (i=1 \, , \, \cdots \, , n) \quad \cdots \quad (1)$

 なお、誤差項は、

  $E(\epsilon_i) = $

  $E(\epsilon_i^2) = \sigma^2_i$

とします($\sigma^2$ではなく、$\sigma^2_i$と不均一分散になっています)。

仮説

 ホワイト検定では、次のような帰無仮説を考えます。

  $H_0$:$\sigma^2_i = \sigma^2$

  $H_1$:$\sigma^2_i \neq \sigma^2$

補助回帰

 まずは、$(1)$式により残差$e_i$を求め、この残差の二乗に対して、すべての説明変数と、説明変数同士の2次の積で(補助)回帰を行います。積については、重複するものがあれば、一方を除きます。

  $e_i^2 = \gamma_{1} + \gamma_{2} x_{2i} + \cdots \gamma_k x_{ki} + \gamma_{22} x_{2i}^2 + \gamma_{23} x_{2i} x_{3i} + \cdots \gamma_{2k} x_{2i} x_{ki} + \cdots + \gamma_{kk} x_{ki}^2 \quad \cdots \quad (2)$

 なお、この回帰についての積などの説明変数については、ちょっと分かりにくいので、説明変数が2つの場合の次のような重回帰モデルを例に考えてみましょう。

  $y_i = \beta_1 + \beta_2 x_{2i} + \beta_3 x_{3i} + \epsilon_i$

 このときには、2次の積として、次のようなものが考えられます(定数項は、係数$\beta_1$に$1$を掛けたものであることに注意)。

   説明変数:$1$、$x_{2i}$、$x_{3i}$

   説明変数の二乗項:$1^2$、$x_{2i}^2$、$x_{3i}^2$

   説明変数の交差項:$1 \times x_{2i}$、$1 \times x_{2i}$、$1 \times x_{3i}$、$x_{2i} x_{3i}$

 このうち、重複しているものがいくつかあるので、それを除くと、

   $e_i^2 = \gamma_{1} + \gamma_{2} x_{2i} + \gamma_{3} x_{3i} + \gamma_{22} x_{2i}^2 + \gamma_{33} x_{3i}^2 + \gamma_{23} x_{2i} x_{3i}$

を回帰することになります。

補助回帰

 $(2)$式の回帰においては、定数項を含んだ説明変数の数を$p$、決定係数$R^2$とすると、$n \times R^2$について、帰無仮説の漸近分布は、$p-1$のカイ2乗分布となるので、

  $n \times R^2 \sim \chi^2(p-1)$

これを検定することになります。

参考

  黒住英司『計量経済学

  羽森茂之『ベーシック計量経済学

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