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トランスログ型生産関数の導出方法・求め方

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投稿ミクロ経済学中級
経済学で使われるトランスログ型生産関数について、数学的な導出方法・求め方を説明します。
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概要

 生産関数を特定化した場合の1つとして、トランスログ型生産関数(Translog production function)があります。

 産出量を $ Y$ 、資本を $ K$ 、労働力を $ L$ としたとき、次のようなものです。

  $ \ln Y = a_0 + a_1 \, \ln K + a_2 \, \ln L + \dfrac{1}{2} \, a_{11} \, (\ln K)^2 + \dfrac{1}{2} \, a_{22} \, (\ln L)^2 + a_{12} \, \ln K \,\, \ln L $

 いくつかある生産関数の1つであり、実証で推計などに利用されることが多い生産関数です。

 対数化したコブダグラス型生産関数と似ていますが、$ 1/2 \, a_{11} \, (\ln K)^2 + 1/2 \, a_{22} \, (\ln L)^2 + a_{12} \, \ln K \,\, \ln L$というものがついており、より細かくパラメーターを推計できます(言い換えると、コブダグラス型生産関数ではこの部分が定数に含まれてしまいます)。
 
 (他の生産関数については「経済学における生産関数の種類」を参考にしてください)

 ここでは、この導出方法・求め方を解説します。

導出方法

 次のような対数化した生産関数を考えます。

  $ \ln Y = f(\ln K \, , \, \ln L)$

 一般系の生産関数に似ていますが、変数がすべて対数化されている点に特徴があります。
 ここで、テイラー展開を行い線形近似を行うのですが、テイラー展開の公式としては、次のようなものになります(テイラー展開については「テイラー展開の考え方と公式について」を参考にしてください)。

  $ \displaystyle f(x , y) = f(0,0) + f_x(0,0) x + f_y(0,0) y + \dfrac{1}{2} \left( f_{xx}(0,0)x^2 + 2f_{xy}(0,0) xy + f_{yy}(0,0)y^2 \right)$

 この公式を上記の生産関数に当てはめると、トランスログ型生産関数を得ることができます。

  $ \ln Y = a_0 + a_1 \, \ln K + a_2 \, \ln L + \dfrac{1}{2} \, a_{11} \, (\ln K)^2 + \dfrac{1}{2} \, a_{22} \, (\ln L)^2 + a_{12} \, \ln K \,\, \ln L $

 なお、テイラー展開の公式では、$ f(0,0) \, , \, f_x(0,0) \, , \, f_y(0,0) \, , \, f_{xx}(0,0) \, , \, f_{xy}(0,0) xy \, , \, f_{yy}(0,0)$で表記していますが、いずれも定数・係数で$ a_0$などと表記を変えてます。

まとめ

 単なるコブダグラス型生産関数よりは、細かな推計ができるトランスログ型生産関数ですが、テイラー展開を使えば、簡単にこのトランスログ型生産関数を導出できます。
 式としても難しくはないので、覚えておきましょう。

参考

 William Greene『Econometric Analysis

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