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経済厚生に関する問題

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問題ミクロ経済学初級
ミクロ経済学における消費者余剰と生産者余剰といった経済厚生に関する問題です。
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問題

 消費者は、効用を$ u$、消費量を$ x$、$ x$以外の貨幣量を$ m$とし

  $ u = 100 x^{1/2} + m$

のような効用関数を有しているとする。
 なお、この消費者は、初期の所得として50を所有している。

 他方、企業は、利潤を$ \pi$とし、

  $ \displaystyle c = \dfrac{x^2}{40} + 40$

のような費用関数$ c$に直面しているとする。

※「▶」をクリックすると、回答を見ることができます。

【問題1-1】消費者の需要関数を求めよ。

【回答1-1】 

 消費者は、次のような予算制約式に直面することになる。

  $ px + m = 50$

 この予算制約式を効用関数に代入し、$ m$をキャンセルすると、効用関数は、

  $ u = 100 x^{1/2} + 50 – px$

となるので、消費者の効用最大化を図るため、効用関数を$ x$で微分すると、

  $ u’ = 50 x^{-1/2} – p = 0$

となり、次のような需要関数が得られる。

  $ \displaystyle x = \dfrac{2500}{p^2}$

【問題1-2】消費者余剰$ CS$を求めよ(価格$ p$で消費者余剰を表現せよ)。

【回答1-2】 

 消費者が全く消費しないとき($ x=0$)の効用は、次の通りである。

  $ u = 50$

 他方、消費者が消費をしたときには、需要関数を効用関数に代入すると、次のようになる。

  $ \displaystyle u = \dfrac{2500}{p} + 50$

 消費者余剰は、消費者が消費した場合の効用と消費しないときの効用の差額なので、

  $ \displaystyle CS = \dfrac{2500}{p} $

となる。

【問題2-1】生産者の供給関数を求めよ。

【回答2-1】 

 企業の利潤関数$ \pi$は、費用関数$ c$から、次のようになる。

  $ \pi = px – \left( \dfrac{x^2}{40} + 40 \right)$

 企業が利潤最大化を行うとして、利潤関数を$ x$で微分すると、

  $ \pi’ = p – \dfrac{x}{20} = 0$

となり、供給関数としては、

  $ x = 20p$

が得られる。

【問題2-2】生産者余剰$ PS$を求めよ(価格$ p$で生産者余剰を表現せよ)。

【回答2-2】 

 企業が全く生産しないとき($ x=0$)の利潤は、次の通りである。

  $ \pi = -40$

 他方、企業が生産を行ったときには、供給関数を利潤関数に代入すると、次のようになる。

  $ \displaystyle \pi = 10 p^2 -40$

 生産者余剰は、生産者が生産した場合の利潤と生産しないときの利潤の差額なので、

  $ \displaystyle PS = 10 p^2$

となる。

【問題3】市場均衡における財の量$ x^*$と価格$ p^*$を求めよ。

【回答3】 

 市場均衡では、需要関数と供給関数が一致するので、

  $ \displaystyle \dfrac{2500}{p^2} = 20p$

となり、均衡価格と均衡量は、

  $ p^* = 5 \quad , \quad x^* = 100$

となる(なお、均衡価格を求めて、その価格を需要関数か供給関数に代入して、均衡量を計算)。

【問題4】消費者余剰と生産者余剰を踏まえ、総余剰$ W$を求めよ。

【回答4】 

 総余剰$ W$は、消費者余剰$ CS$と生産者余剰$ PS$を足し合わせたものなので、

  $ \displaystyle W = CS + PS = \dfrac{2500}{p} + 10 p^2$

であり、均衡価格$ p^*=5$を代入すると、消費者余剰と生産者余剰はそれぞれ

  $ CS = 500 \quad , \quad PS = 250$

となり、総余剰は、次のようになる。

  $ W = 500 + 250 = 750$

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