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貯蓄に関する「節約のパラドックス」について

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投稿マクロ経済学入門
経済学における貯蓄に関して、「節約のパラドックス」というものがあります。この節約のパラドックスについて解説します。
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節約のパラドックス

 通常、限界貯蓄性向が高まれば、貯蓄は増加します。

 しかし、所得に応じて投資が増えるという誘発投資が存在すれば、必ずしもそうならないことがあります。

 すなわち、

  「誘発投資が存在する場合、限界貯蓄性向が上昇すると、貯蓄は低下する」

という状況があり、これを「節約のパラドックス」と言います。

 限界貯蓄性向が高まるのに、貯蓄が低下するという逆説的な命題となっています。、

なぜパラドックスが生じるのか

 直観的には、限界貯蓄性向が高まるため、所得は減少してしまいます。他方、投資は所得に応じて増減するため、投資も減少することになります。そして、貯蓄=投資という関係から、貯蓄が減少することになります。

 ただ分かりにくいと思うので、横軸に所得、縦軸に投資と貯蓄をとった図で説明すると、次の通りです。



 投資は所得に応じて増加するので、右上がりの曲線になります。また同様に、貯蓄も所得に応じて増加するので右上がりの曲線になります。

 そして当初は、投資曲線と貯蓄曲線sが交わるE点にあるとします。このときの所得はY、貯蓄はSとなっています。

 限界貯蓄性向がsからs’に上昇したとしましょう。貯蓄曲線はsからs’に代わります。均衡点はE点からE’点となり、所得はY’、貯蓄はS’となることが分かります。

 この結果、限界貯蓄性向が上昇した結果、貯蓄はSからS’へと減少してしまいます。

独立投資の場合

 このような現象が生じる大きなポイントは、所得に応じて投資が変わる誘発投資であるという点です。

 ただ、所得とは無関係な独立投資の場合には、上記の図では投資曲線は水平になり、限界貯蓄性向が変化しても、所得は増減しますが、貯蓄は変化しません。

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