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手軽にTFP(全要素生産性)を見てみよう

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投稿マクロ経済学入門
マクロ経済学のTFP(全要素生産性)について、データベース化されているので、それを紹介します。
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はじめに

 マクロ経済における技術進歩率を知るためには、TFP(全要素生産性)を計算する必要があります。

   成長会計の導出方法

 このときふと、、

  「自分では計算できない、たいへん!」

  「論文とかを調べなければならないの?」

などと思ってしまいます。

 ただ、TFPについては、データベース化されているので、これを紹介します。

データのありか

 独立行政法人経済産業研究所が、「JIPデータベース」ということで、TFPを計算しデータベース化しています。

 まずは、独立行政法人経済産業研究所のデータ・統計ページに行きます。

   独立行政法人経済産業研究所「 データ・統計

 そうすると、下のようなところに行きます。



 次に、「JIPデータベース」をクリックすると、いくつかの年のデータがあります。



 そして、例えば、「JIPデータベース2021」に行くと、「成長会計」というデータベースがあり、後はエクセルファイルをダウンロードします。



 なお、成長会計は、TFP(全要素生産性)を計算するための方法です。

 そして、エクセルをみると、いくつものシートがあり、「成長会計」というシートがあり、そこにTFPが掲載されています。

2021年のデータ

 そこで参考までに、2021年のデータ(「成長会計(産出)」というシート)を見てみましょう。
 そうすると、

  ・マクロ(住宅・分類不明を除く)
  ・市場経済
  ・製造業
  ・非製造業(住宅・分類不明を除く)
  ・非製造業(市場経済のみ、住宅・分類不明を除く)
  ・マクロ(すべて)

に分けられて、計算が行われています。
 ここで、言葉だけから分かりにくいのが、「市場経済」というものですが、これは政府などの活動を抜いた場合を計算したものです。

 そして、実際の「マクロ(すべて)」を表を見ると、次のようになっています。



【中間投入】
 中間投入は、2005年から2010年のマイナスを除けば、0.31%から0.60%の寄与となっており、日本の経済成長にとって一定の寄与をしているといえます。

【労働投入】
 労働投入を見ると、-0.12%から0.17%となっており、この間は一貫して、労働力増加による経済成長が弱いことが分かります。
 確かに、少子高齢化や働き方改革など、働く人が減っていたり、日本人が働く時間が減ったことを考えると、納得がいく感じです。

【資本投入】
 資本投入については、1995年から2000年の間は0.52%の寄与がありましたが、2000年以降は0.01%から0.14%と、低い値になっています。
 技術進歩は難しくとも、新しい設備などを入れて、生産性を上げたいところですが、2000年以降はそれも停滞している感じです。

【TFP】
 1995年から2018年の間で、最もTFPが高く技術進歩があったと思われるのは、2010年から2015年の間で0.42%、日本の経済成長に寄与しています。
 逆に、最もTFPが低く技術進歩が停滞したのは、2005年から2010年の間で0.05%しか、経済成長に寄与していません。

最後に

 このデータベースは、非常に簡単に、比較的最近のTFP(全要素生産性)が分かるので、便利です。

 ただ同時に、一つの推計であり、計算方法を変えれば違う値にある可能性も十分にあるので、注意が必要です。 

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