マクロ経済学における基本的な労働市場における均衡の考え方

マクロ経済学においては、労働市場がどうであるのかが検討されます。その際に、古典派の第1公準・第2公準について説明するとともに、労働市場の均衡について説明します。

概要

 マクロ経済学においては、失業がどうであるか、労働供給がどうなのかなど、労働市場について考える必要があります。

 このとき、マクロ経済学における基本的な考えを説明したいと思います。

 説明にあたり、労働需要と労働供給の2つの面に分けて、説明します。

労働需要

 企業は生産活動を行う上で、労働力が必要です。
 ただ、企業はやみくもに労働力を求めるのではなく、生産量に応じて、労働力を求めることになるでしょう。このとき、労働力を追加的に増やして、生産を伸ばせる限界量と実質賃金が等しくなるまで労働力を需要することになります。

 古典派の第1公準
  「労働の限界生産物が実質賃金率に等しくなるまで、労働を需要する」

 この結果、実質賃金が高いほど労働需要は小さく、実質賃金が安いほど労働需要は大きくなります。

労働供給

 家計は働いて賃金を得る必要があります。
 ただ、家計は余暇やレジャーなども必要であることから、働くほど、効用水準も下がります。

 古典派の第2公準
  「家計は労働の限界不効用が実質賃金率の限界効用と等しくなるまで、労働を供給する」

 この結果、実質賃金が高いほど労働供給は大きく、実質賃金が安いほど労働供給は小さくなります。

労働市場の均衡

 企業は古典派の第1公準に基づき労働を需要したとき、実質賃金が高いほど労働需要は小さく、実質賃金が安いほど労働需要は大きくなるため、横軸に雇用量、縦軸に実質賃金をとったとき、右下がりの曲線になります(労働供給曲線)。

 他方、家計は古典派の第2公準に基づき労働を供給したとき、実質賃金が高いほど労働供給は大きく、実質賃金が安いほど労働供給は小さくなるため、横軸に雇用量、縦軸に実質賃金をとったとき、右上がりの曲線になります(労働需要曲線)。

 これらの労働供給曲線と労働需要曲線を描いたの下図です。
 そして、この2つの曲線が交わる水準で労働市場は均衡し、均衡雇用量と均衡実質賃金が決定します。

労働市場の不均衡

 完全雇用を前提すれば、必ず労働市場は均衡し、均衡雇用量と均衡実質賃金も決定します。
 ただ、現実の世界であるように、労働市場は必ず均衡しているわけではありません。

 例えば、何らかの経済ショックがあり、不況が生じたとしましょう。このとき、企業の収益が悪化するため、労働需要は落ち込み、労働需要曲線が左下にシフトしたとしましょう。そうすると、均衡実質賃金以上に、実質賃金が高止まりすることになります。

 このとき、下図のように労働供給と労働需要の間に乖離が生じ、失業が発生することになります。

ポイント

 労働需要・労働供給により、実質賃金や雇用量も決定するという考えは、ある意味、常識的な考えであり、そう難しくないと思います。

 ただここで、「限界不効用」「限界生産物」「実質賃金」という概念を用いているのが、経済学的な要素です。

 家計も企業も、「限界不効用」「限界生産物」ということを意識せずに、労働を供給・需要していると思いますが、経済学のフレームワークとしては、この2つの概念をベースに理論が導き出されています。

 また、「実質賃金」についても、通常は実質賃金ではなく、名目賃金をもとに労働を供給・需要していると思いますが、経済学においては、ある種の合理性を家計・企業は有しているので、表面的な「名目」ではなく、「実質」で家計・企業は行動すると考えています。

マクロ経済学
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