はじめに
産業連関表において、生産量を、最終需要を
、投入係数行列を
としたとき、次のようなものが基本となります。
産業連関表を少しでも勉強したことがあれば、見たことがある式だと思います。
ただ当然ながら、この基本モデルを拡張したものが、いくつもあります。
ここでは、それらのいくつかを紹介します。
産業連関表におけるモデル
競争輸入型モデル
型
基本モデルは、あくまでも国内需要をもとにしたものですが、外国と貿易を行っているときには、その影響を受けます。
そこで、国内需要と輸入による需要を分け、輸入ベクトルをとすると、次のようなものです。
逆行列部分は、基本モデルと変わりませんが、最終需要が国内と輸入で分離されています。
型
輸入が国内生産に比例しているとし、行別の輸入係数をとしたとき、次のようなものになります。
式と異なり、逆行列に
が入っている形になっています。
型
最終重要を国内最終需要と輸出
に分けて、行別の輸入係数を
としたとき、次のようなものです。
というものです。
これは、輸入が国内総需要に比例しているとした場合のものです。
非競争輸入型モデル
型
最終需要を国内需要と輸入に分けて、国内最終需要を、投入係数行列を
とすると、次のようなものになります。
最後に
産業連関表は、国や都道府県などで作成・公表されています。
例えば、国では、総務省のサイトで産業連関表を見ることができます。
総務省「産業連関表」
そして、型、
型、
型の3つのモデルが公表されています。
参考
宮沢健一『産業連関分析入門』