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ピグー税における簡単な問題

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問題環境経済学初級
経済学におけるピグー税について、簡単な問題を掲載しています。
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 x企業とy企業の2社があり、それぞれ$x$財と$y$財を生産しているとする。
 x企業はy企業から影響を受けることはないが、y企業はx企業からの外部不経済があるとして、それぞれの企業は、生産にあたり次のような費用に直面しているとする。

  x企業 : $c_x = x^2$

  y企業 : $c_y = y^2 + x^2$

 競争市場において、$x$財と$y$財の価格はそれぞれ10と30とする。

※「▶」をクリックすると、回答を見ることができます。

【問題1】
 それぞれの企業において、交渉などが行われず、独自に行動した場合、それぞれの生産量はどうなるか。

【回答1】 

(x企業)
 x企業の利潤関数は、

  $\pi_x = 10x - x^2$

であり、$d\pi_x/dx=0$から、

  $10 - 2x = 0$

であり、$x=5$となる。

(y企業)
 y企業の利潤関数は、

  $\pi_y = 30y - y^2 - x^2$

であり、$d\pi_y/dy=0$から、

  $30 - 2y = 0$

であり、$y=15$となる。

【問題2】
 経済厚生を考え、2つの企業双方にとって、社会的に最適な生産量はどうなるか。

【回答2】 

 社会的な望ましい生産量となるのは、$\pi_x$と$\pi_y$の合計が最も大きくなる水準である。
 このことから、

  $\Pi = \pi_x + \pi_y = 10x - x^2 + 30y - y^2 - x^2$

について、$x$と$y$で微分すると、

  $\dfrac{d\Pi}{dx} = 10 - 2x - 2x = 0$

  $\dfrac{d\Pi}{dy} = 30 - 2y = 0$

から、$x=2.5、y=15$を得ることができる。

 問題1と比較すると、y企業の生産量は変わらないが、x企業はy企業の費用も考慮することになるので、生産量は減少することになる。

【問題3】
 問題1と同様に、2つの企業はそれぞれ独自に行動するが、x企業に生産量に応じた税率$t$の従量税を課すものとする。
 このとき、問題2の社会的に最適な状態にするには、税率$t$をいくらにすればいいか。

【回答3】 

 x企業に課税がなされるので、x企業の利潤関数は、

  $\pi_x = 10x - x^2 - tx$

となり、$x$で微分し0とすると、

  $10 - 2x - t = 0$

が得られ、政府は、

  $t = 10 - 2x$

という税率を設定すればよい。問題2から、社会的に望ましいx企業の生産量は2.5なので、これを代入すると

  $t = 10 - 2 × 2.5 = 5$

となり、税率は5となり、政府の課税総額は5×2.5から12.5となる。

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