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数式による三面等価の説明

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投稿マクロ経済学初級
マクロ経済学において、どうして三面等価が成立するのか、少しわかりにくい気がしますので、簡単な数式で説明したいと思います。
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 三面等価を説明するため、消費者として個人1と個人2の2名がおり、生産者として$x$財と$y$財を生産している経済を考えるとします。

【生産面】
 $x$財と$y$財の価格を$p_x$、$p_y$とすると、この経済は、次だけ生産を行っていることになり、

  $Y_p = p_x x + p_y y$

生産面の付加価値額$Y_p$を考えることができます。

【分配面】
 $x$財と$y$財を生産している生産者は、賃金$w_x \, , \, w_y$のもと、次のような利潤$\pi_x \, , \, \pi_y$を生み出すことになります。

  $\pi_x = p_x x \; – \; w_x (l_{1x} + l_{2x})$

  $\pi_y = p_y y \; – \; w_y (l_{1y} + l_{2y})$

 なおここで、$l_{1x} \, , \, l_{2x}$は、個人1・個人2から$x$財産業に提供された労働力で、$l_{1y} \, , \, l_{2y}$は、個人1・個人2から$y$財産業に提供された労働力です。$x$産業に提供された労働力全体を$l_x$、$y$産業に提供された労働力全体を$l_y$とすると、次が成立しています。

  $l_x = l_{1x} + l_{2x}$

  $l_y = l_{1y} + l_{2y}$

 このとき、分配面の付加価値額$Y_d$は、賃金の合計額と利潤(配当)の合計額なので、

  $Y_d = w_x + w_y + \pi_x + \pi_y$

となるので、上記の式を用いると、

  $Y_d = w_x l_x + w_y l_y+ (p_x x \; – \; w_x (l_1 + l_2)) + (p_y y \; – \; w_y (l_1 + l_2)) = p_x x + p_y y$

となります。

【支出面】
 個人1・個人2の支出を$E_1 \, , \, E_2$とすると、支出面の付加価値額を$Y_e$とすると、

  $Y_e = E_1 + E_2$

となります。

 ここで、生産された$x$財と$y$財は、この2名の個人に消費されるので、

  $Y_e = E_1 + E_2 = p_x x + p_y y$

となります。

 また別の表現をすれば、分配された付加価値額は、支出に対する予算でもあるので、

  $Y_e = E_1 + E_2 = w_x + w_y + \pi_x + \pi_y = Y_d$
  
【三面等価】
 以上から、次のように三面等価が成立していることが分かります。

  $Y_p = Y_d = Y_e = p_x x + p_y y$

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