通常、為替レートと言えば、1ドル=120円などといったように、二国間の通貨の交換レートとして示されます。
ただ、世界には多くの国がある中で、二国間だけではなく、総合的に為替レートがどうであるかを知りたいと思うことがあるでしょう。
例えば、円でいえば、対ドルだけではなく、ユーロや元なども含めて、円の為替相場がどうであるかといった場合です。
このときに使われるのが、「実効為替レート」です。
実効為替レートは、各国の通貨の為替レートを算出し、それぞれの海外通貨の比率を加重平均したものになります。
自国と$i$国の通貨との為替レートを$S_i$とし、$i$国の通貨のウエイトを$w_i$とすると、実効為替レート$\bar{S}$は、次のような式になります。
$\displaystyle \bar{S} = \sum_{i=1}^n w_i S_i$
ただ、ここで為替レート$S_i$は、1円当たりの為替レートになります。なぜならば、1ドル=○円、1ユーロ=○円という形では、そのまま加重平均できないため、1円=○ドル、1円=○ユーロとしておく必要があるからです。
また、ウエイトについては貿易などが用いられます。
そして、通常の為替レートに名目と実質があるように、実効為替レートにも、名目実効為替レートと実質実効為替レートがあります。
実際の統計データとしては、日本銀行やBIS(国際決済銀行)が公表しています。
日本銀行「実効為替レート」