内容
ブレトンウッズ体制とは、1944年に44か国が集まったブレトンウッズ会議で締結された「ブレトンウッズ協定」に基づく体制です。
ドルは金に対して固定相場をとり、他の通貨はドルに対して固定相場をとるというもので、「金ドル本位制」とも呼ばれます。
アメリカ:ドルは金に対して1オンス=35ドルで固定
他国:何か不都合があったときには調整されるアジャスタブルペッグ(調整可能な固定相場制)
このとき、ブレントンウッズ協定に加盟している国々は、ドルとの関係で考えればよく、アメリカは金との関係でドルを考えればいいことになります。
日本は、1952年に、1ドル=360円という相場で、ブレトンウッズ協定に加盟しました。
ドル危機
ブレトンウッズ体制は、アメリカのドルと金との関係が非常に重要になってきます。この関係が崩れれば、ブレントンウッズ協定加盟国すべてに影響が起こるからです。
アメリカがしっかりしていれば問題はありませんが、それは永久には続きません。
まず、1960年に「第一次ドル危機」が起こりました。
ドルは、1オンス=35ドルでペッグされているので、金が増えない限りは、アメリカはドルの発行が制限されています。しかし、1950年代中頃から、アメリカは国際収支の赤字や対外債務赤字の増大などが生じ、その結果、アメリカはドルの発行を増やしていき、金高ドル安が生じ、1オンス=41.6ドルとなってしまいました。そしてこれにより、ドルへの信認が揺らぎ始めました。
次に、1968年に「第二次ドル危機」が起こりました。
1967年にポンドの切り下げが行われ、金需要が急増し、金に対してドルは下がることになります。この結果、1オンス=35ドルという仕組みは、公的取引のみで行われ、民間の金については、価格は自由となりました。
ニクソンショック
1960年代に、二度のドル危機を迎えた中で、1971年に、当時のニクソン大統領が、金ドル交換停止を宣言しました。
ニクソンショックと呼ばれ、ドルと金の固定相場は終了し、ブレトンウッズ体制も終了しました。
参考
佐々木百合『国際金融論入門』