国際金融において、為替の取引にあたり、いくつかのものがあります。
【直物取引】
最も基本的な為替取引で、直近で取引を行うもので、最も早く為替の受け渡しが終了する取引です。
より詳細に定義すると、取引成立後二営業日以内に為替の受け渡しが行われる取引とされます。
【先物取引】(フォワード取引、先渡し取引)
将来の受け渡しを行うことを約束する取引で、取引が成立してから、三営業日以降に為替の受け渡しが行われます。
先物取引は、相対取引や店頭取引と言われ、銀行との顧客の間で行われます。
【通貨オプション取引】
ある通貨を特定の相場で、一定期間に、売ったり買ったりする権利を取引することです。
例えば、3か月後に、1ドルを100円で売る権利を購入したりすることです。この権利を購入したとき、3か月後に円高が進んで1ドル=90円になったとしても、この権利を行使すれば、1ドル=100円でドルを売ることができます。逆に、円安になり1ドル=110円になったときには、この権利を行使せず、直物取引でドルを購入することになります。
【通貨先物取引】
上記の先物取引が店頭取引であったのに足し、この通貨先物取引は、上場取引で行われており、取引所で受渡期日・取引単位・決済方法などが規格化されているものです。
この通貨先物取引では、証拠金を収め、通常は差金決済で取引が行われます。
【外国為替証拠金取引】(FX取引)
証拠金として決められた割合の金額を預けた上で、売りと買いを組み合わせた差金決済で通貨の売買が行われる取引です。
証拠金を払うと、売買の差額のみで取引が可能で、支払った証拠金の20~30倍の取引が可能になるとされます。
参考
佐々木百合『国際金融論入門』