プレイヤーAとBがおり、次のようなタカ・ハトゲームの利得行列を考えるものとします。
B | |||
---|---|---|---|
ハト | タカ | ||
A | ハト | 2:2 | 1:3 |
タカ | 3:1 | 0:0 |
このとき、プレイヤーAがハトである確率を$p$、プレイヤーBがハトである確率を$q$とします。
また、プレイヤー$i$がハトを選んだときの利得を$\pi_{iD} \, (i =A \, , \, B)$、タカを選んだときの利得を$\pi_{iH} \, (i =A \, , \, B)$として、以下の問題に答えてください。
なお全く分からないという方は、次を参考にしてください。
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【問題1】
プレイヤーAの最適応答を求めてください。
【回答1】
まずは、プレイヤーBの行動を所与として、プレイヤーAの(期待)利得を求めます。
プレイヤーAがハトを選んだとき、プレイヤーAがタカを選んだときの利得は、次のようになります。
プレイヤーAがハトを選んだとき、$\pi_{AD} = q \times 2 + (1 \; – \; q) \times 1 = q + 1$
プレイヤーAがタカを選んだとき、$\pi_{AH} = q \times 3 + (1 \; – \; q) \times 0 = 3q$
次に、プレイヤーAの行動を場合分けします。
(1)ハトを選んだときのほうが利得が高いとき
このときには、
$\pi_{AD} > \pi_{AH}$
であり、
$q + 1 > 3q$
から、
$q < \dfrac{1}{2}$
となります。
すなわち、$q < 1/2$のとき、プレイヤーAは、必ずハトを選ぶことになり、$p=1$となります。
(2)タカを選んだときのほうが利得が高いとき
このときには、
$\pi_{AD} < \pi_{AH}$
であり、
$q + 1 < 3q$から、 $q > \dfrac{1}{2}$
となります。
すなわち、$q > 1/2$のとき、プレイヤーAは、必ずタカを選ぶことになり、$p=0$となります。
(3)2つの利得が等しいとき
このときには、
$\pi_{AD} = \pi_{AH}$
であり、
$q + 1 = 3q$
から、
$q = \dfrac{1}{2}$
となります。
すなわち、$q = 1/2$のとき、プレイヤーAの行動は、無差別になるので、$0 \leq p \leq 1$となります。
最適応答
以上をまとめると、プレイヤーAの最適応答は、次のようになります。
$p=1$ $(q < \dfrac{1}{2})$
$0 \leq p \leq 1$ $(q=\dfrac{1}{2})$
$p=0$ $(q > \dfrac{1}{2})$
【問題2】
プレイヤーBの最適応答を求めてください。
【回答2】
このタカ・ハトゲームは、対称なので、問題1について、$p$と$q$を入れ替えるだけなので、次のようになります。
$q=1$ $(p < \dfrac{1}{2})$
$0 \leq q \leq 1$ $(p=\dfrac{1}{2})$
$q=0$ $(p > \dfrac{1}{2})$
【問題3】
このときのナッシュ均衡を求めてください。
【回答3】
プレイヤーAとプレイヤーBの最適応答が交わるときがナッシュ均衡になるので、
$(p \, , \, q) = (0 \, , \, 0)$ ⇒ 両プレイヤーがタカになる
$(p \, , \, q) = (\dfrac{1}{2} \, , \, \dfrac{1}{2})$ ⇒ 両プレイヤーがハトとタカで半分ずつ行動する
$(p \, , \, q) = (1 \, , \, 1)$ ⇒ 両プレイヤーがハトになる
の3つのナッシュ均衡になります。
【問題4】
それぞれのプレイヤーの期待利得を求めてください。
【回答4】
両プレイヤーがタカになる場合
利得行列から、次のようになります。
プレイヤーAの利得 = プレイヤーBの利得 = $2$
両プレイヤーがハトとタカで半分ずつ行動する
利得行列から、次のようになります。
プレイヤーAの利得 = プレイヤーBの利得 = $\dfrac{1}{2} \times 3 + \dfrac{1}{2} \times 1 = 2$
両プレイヤーがハトになる場合
利得行列から、次のようになります。
プレイヤーAの利得 = プレイヤーBの利得 = $0$