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ワルラス法則について

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投稿ミクロ経済学初級
ミクロ経済学だけではなく、他の分野の経済学でも重要なワルラス法則について、ポイントを説明しています。
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ワルラス法則

 ワルラス法則とは、$n$種類の財があるとき、それぞれの価格を$p_i$、超過需要関数を$z_i$としたとき、

  $\displaystyle \sum_{i=1}^n p_i z_i = 0$

が成立するというものです。

 $n$種類の財では分かりにくければ、2財の場合には、

  $p_1 z_1 + p_2 z_2 = 0$

が成立します。

ポイント

ポイント1

 ワルラス法則の意味するところは、

  「ある財の超過需要は、他の財の超過供給を示し、経済全体ではプラスマイナス0になる」

ということです。

 2財の場合で考えれば、価格は正なので、財1で超過需要であれば、必ず財2ではマイナスの超過需要、すなわち超過供給が発生します。

  $z_1 > 0$ならば、$z_2 < 0$

 $n$種類の財で考えれば、どこかの財では超過需要であり、他の財では超過供給となっていることを示します。

ポイント2

 $n-1$種類の財市場で均衡していれば、残り1つの財市場も均衡することになります。

 2財の場合に、財1が均衡していれば、$z_1^*=0$となることから、

  $p_2 z_2 = 0$

となり、必然的に$z_2=0$となり、財2においても、均衡することになります。

 $n$種類の財ならば、財$1$から財$n-1$まで、均衡しており、

  $z_1^* = z_2^* = \quad \cdots \quad = z_{n-1}^*$

ならば、

  $\displaystyle p_n z_n \sum_{i=1}^{n-1} p_i z_i^* = 0$

なので、

  $p_n z_n = 0$

となり、残りの財$n$においても、均衡することになります。

ポイント3

 ワルラス法則は、ミクロ経済学の市場均衡などの部分で出てくる話ですが、この法則は、一般化が可能な法則なので、他の分野の経済学でも重要な法則となっています。

 ある経済において、貨幣市場・債券市場・株式市場しかない状態を考えましょう。
 それぞれは、貨幣・債券・株式という財を取引する市場なので、ワルラス法則を適用できます。

 この結果、例えば、貨幣市場と債券市場が均衡すれば、必然的に株式市場も均衡することになります。また、貨幣市場が均衡しており、債券市場で超過需要が生じていれば、株式市場では超過供給が発生していることになります。

 このように、ワルラス法則は、法則自体は難しくはないのですが、ミクロ経済学だけではなく、他の分野でも大事な概念です。
 ときおり、マクロ経済学の本を読んでいると、「ワルラス法則が成り立つので」など、さらりと出てきたりするので、注意が必要です。

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