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陰関数と陰関数定理について

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投稿経済数学中級
経済数学において、陰関数について説明するとともに、陰関数定理について紹介しています。
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陽関数と陰関数

 変数$x_i \quad (i=1 \, , \, \cdots \, , \,n)$と$y$について、

  $y = f(x_1 \, , \, \cdots \, , \, x_n)$

のように、変数$x_i$が独立変数、$y$が従属変数という形で、明示されているとき、この関数$f$を「陽関数」と言います。

 他方、変数$z_i \quad (i=1 \, , \, \cdots \, , \, n)$について、

  $g(z_1 \, , \, \cdots \, , \, z_n) = 0$

のように、従属変数と独立変数の区別がなく、ゼロに写している関数$g$を「陰関数」と言います。

陰関数定理(2変数)

 次のような2変数の場合における陰関数を考えます。

  $g(x \, , \, y) = 0$

 このとき、次が成り立ち、これを「陰関数定理」と言います。

  $\dfrac{d y}{d x} = \; – \; \dfrac{g_1}{g_2}$

 なお、上記の陰関数について、全微分すれば、この式が得られます。

陰関数定理(多変数)

 $n$個の独立変数$x_i \quad (i=1 \, , \, \cdots \, , \, n)$、$m$個の従属変数$y_j \quad (j=1 \, , \, \cdots \, , \, m)$について、次のような陰関数を考えます。

  $g_1 (x_1 \, , \, \cdots \, , \, x_n \, , \, y_1 \, , \, \cdots \, , \, y_m) = 0$
  $g_2 (x_1 \, , \, \cdots \, , \, x_n \, , \, y_1 \, , \, \cdots \, , \, y_m) = 0$
    $\vdots$
  $g_m (x_1 \, , \, \cdots \, , \, x_n \, , \, y_1 \, , \, \cdots \, , \, y_m) = 0$

 このとき、陰関数定理は、次のようになります。

  $\begin{pmatrix}
\dfrac{\partial y_1}{\partial x_i} \\
\vdots \\
\dfrac{\partial y_m}{\partial x_i} \\
\end{pmatrix}= \; – \; \begin{pmatrix}
\dfrac{\partial g_1}{\partial y_1} & \cdots & \dfrac{\partial g_1}{\partial y_m} \\
\vdots & \ddots & \vdots \\
\dfrac{\partial g_1}{\partial y_m} & \cdots & \dfrac{\partial g_m}{\partial y_m} \\
\end{pmatrix}^{-1} \begin{pmatrix}
\dfrac{\partial g_1}{\partial x_i} \\
\vdots \\
\dfrac{\partial g_m}{\partial x_i} \\
\end{pmatrix}$

 なお、$i =1 \, , \, \cdots \, , \, n$です。

参考

  ピーター・バーク、クヌート・シュドセーテル『エコノミスト数学マニュアル

  西村和雄『経済数学早わかり

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