はじめに
ラムゼーモデルなどで使われるハミルトニアンについて、公式を整理しました。
ハミルトニアン(離散型)
動学問題
まずは、次のような動学問題を考えるとします。
$ \displaystyle \max \sum^{\infty}_{t=0} F(t,y,u)dt$
s.t. $ y(t+1) – y(t) = f(t,y,u)$
$ y(0)=A $
ここで、$ u$ は操作変数、$ y$ は状態変数です。
また、$ A$ は任意の定数で、状態変数 $ y$ の初期値となっています。
ハミルトニアン
このとき、
$ H(t,y,u,\lambda) = F(t,y,u) + \lambda(t) f(t,y,u)$
のようなハミルトニアンを定義することができます。
$ \displaystyle \max_u H(t,y,u,\lambda)$
最大値原理
ハミルトニアンを最大化するための条件としては、次のようになります。
$ \dfrac{\partial H}{\partial u} = 0$
$ y(t+1) – y(t) = \dfrac{\partial H}{\partial \lambda}$
$ \lambda(t) – \lambda(t-1) = – \dfrac{\partial H}{\partial y}$
$ \displaystyle \lim_{t \rightarrow \infty} y(t) \lambda(t) = 0$
ハミルトニアン(連続型)
動学問題
まずは、次のような動学問題を考えるとします。
$ \displaystyle \max \int^{\infty}_{0} F(t,y,u)dt$
s.t. $ \dot{y} = f(t,y,u)$
$ y(0)=A $
ここで、$ u$ は操作変数、$ y$ は状態変数です。
また、$ A$ は任意の定数で、状態変数 $ y$ の初期値となっています。
ハミルトニアン
このとき、
$ H(t,y,u,\lambda) = F(t,y,u) + \lambda(t) f(t,y,u)$
のようなハミルトニアンを定義することができます。
$ \displaystyle \max_u H(t,y,u,\lambda)$
最大値原理
ハミルトニアンを最大化するための条件としては、次のようになります。
$ \dfrac{\partial H}{\partial u} = 0$
$ \dot{y} = \dfrac{\partial H}{\partial \lambda}$
$ \dot{\lambda} = – \dfrac{\partial H}{\partial y}$
$ \displaystyle \lim_{t \rightarrow \infty} y(t) \lambda(t) = 0$
参考
Alpha C. Chiang『Elements of Dynamic Optimization』
西村清彦『経済学のための最適化理論入門』