【問題】
箱に黒玉と白玉が入っており、箱から2回、玉を取り出す場合を考えます。
箱の中には、黒玉が$b$個、白玉が$w$個入っているとします。そして、1回目に取り出した色の玉を$c$個付け加えて、箱の中に戻すとします。
このとき、2回目に黒玉を引き当てたことだけを知っているとき、1回目に黒玉を引き当てた可能性はどうなりますか。
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【回答】
1回目に黒玉を引く事象を$A$として、白玉を引く事象(黒玉を引く事象の余事象)を$\bar{A}$とします、
このとき、1回目の黒玉、白玉を引く確率は、次の通りです。
$P(A) = \dfrac{b}{b + w}$
$P(\bar{A}) = \dfrac{w}{b + w}$
2回目に黒玉を引く事象を$B$とすると、1回目に黒玉を引いたときには、黒玉が$c$個増えているので、
$P(B | A) = \dfrac{b + c}{b + w + c}$
であり、1回目に白玉を引いたときには、白玉が$c$個増えているので、
$P(B | \bar{A}) = \dfrac{b}{b + w + c}$
となります。
この上で、2回目に黒玉を引くという事象$B$についての確率は、完全確率の定理を用いると、
$P(B) = P(A)P(B |A) + P(\bar{A})P(B | \bar{A}) = \dfrac{b}{b + w} \cdot \dfrac{b + c}{b + w + c} + \dfrac{w}{b + w} \cdot \dfrac{b}{b + w + c} = \dfrac{b}{b + w}$
※完全確率の定理については、「確率論における完全確率の定理について」
であり、2回目に黒玉を引く確率は$b/(b+w)$となります。
以上を踏まえ、2回目に黒玉であることを知った上で、1回目の黒玉の確率を知りたいので、$P(A | B)$を求めることになります。
ベイズの定理を用いると、
$P(A | B) = \dfrac{P(A) P(B | A)}{P(B)}$
※ベイズの定理については、「確率論におけるベイズの定理について」
であるので、
$P(A | B) = \left. \dfrac{b}{b + w} \cdot \dfrac{b + c}{b + w + c} \middle/ \dfrac{b}{b + w} \right. = \dfrac{b + c}{b + w + c}$
となります。