中間値の定理
中間値の定理(ntermediate value theorem)とは、
「関数f(x)が閉区間[a , b]で連続なとき、f(a)とf(b)の間の任意の実数をeとすれば、e=f(c)となるようなcがaとbの間に存在する」
というものです。
直観的な理解
文章で書くと分かりづらいのですが、図で表すと理解しますと思います。
まずは、例として、下のような関数f(x)を考えましょう。
xについてはaとbという値の間で、f(x)についてはf(a)とf(b)という値の間で定義されている連続な(途切れのない)関数です。
図1
この図に対して、f(a)とf(b)の間で、eという値の横線を引くとします。
そうすると、e=f(c)となるようなcがaとbの間にあることになります。
図2
経済学での使われ方
経済学においては、解や均衡の存在証明に使われます。
経済学では、まずは解があるのかどうか、均衡があるのかどうかが問題になります。
このとき、この「中間値の定理」を使えば、すぐにその存在証明ができます。
例えば、超過需要関数について、超過需要がない状態(均衡価格)が存在するのかという部分で、中間値の定理が用いられます。
注意点
中間値の定理は、上記でいえば、cという値が存在することを言っているだけで、解が1つとは言っていません。
例えば、下図のような場合には、c1、c2、c3の3つの値が存在することになります。
図3
ですので、解や均衡の存在証明について、中間値の定理を用いて、証明することは可能ですが、複数解・複数均衡の可能性があるので、注意が必要です。
なお、関数が「単調」であったり、単調であることを仮定するば、解や均衡は1つ(一意)になります。
単調とは、xが大きくなればf(x)も大きくなる、xが小さくなればf(x)も小さくなるといったような場合のことです。
図3のように、あるxの値のときにはf(x)は大きくなり、別のxの値のときにはf(x)は小さくなったりと、クネクネしています。このような場合は単調ではないので、解や均衡は1つにはなりません。
ただ最初の図1のように、xが大きくなると、f(x)は小さくなり続けるといういった場合には、単調であるので、解は1つになります。