スポンサーリンク

偏微分と全微分

スポンサーリンク
 
投稿経済数学初級
経済学で微分はよく使われますが、偏微分と全微分について、違いを含めて、説明します。
スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク

微分

 偏微分と全微分について、説明する前に、一般的な微分について、整理しておきましょう。

 関数$f(x)$を考えると、1階の微分の式は次のようになります。

  $\displaystyle \dfrac{d f(x)}{d x} = \lim_{\Delta x \rightarrow 0} \dfrac{f(x + \Delta x) - f(x)}{\Delta x}$

 このように、$\Delta x$だけ(0にはならないが0に極端に近いように)増加したときの変化が微分ということになります。

偏微分

 微分はあくまでも、変数が1つの場合ですが、変数が2つの関数$f(x , y)$を考えましょう。

 このとき、1つの変数だけが変化したときの微分が偏微分になります。

  $\displaystyle \dfrac{\partial f(x , y)}{\partial x} = \lim_{\Delta x \rightarrow 0} \dfrac{f(x + \Delta x , y) - f(x , y)}{\Delta x} \cdots (1)$

  $\displaystyle \dfrac{\partial f(x , y)}{\partial y} = \lim_{\Delta y \rightarrow 0} \dfrac{f(y + \Delta x , y) - f(x , y)}{\Delta y} \cdots (2)$

全微分

 偏微分はいくつかの変数がある中で、1つの変数だけが変化したときの場合であるのに対して、全微分は全部の変数が変化したときの場合になります。

 2変数で考えると($z = f(x , y)$)、次のようになります。

  $\displaystyle d z = \dfrac{\partial f}{\partial x} d x + \dfrac{\partial f}{\partial y} d y \cdots (3)$

 このように、全微分の式は、偏微分した関数($(1)$式や$(2)$式)にそれぞれの増分($d x$や$d y$)を掛けたものを足し合わせたものになります。

まとめ

 以上のように、多変数関数を考えたとき、

  偏微分 ⇒ そのうちの1つの変数が変化した場合

  全微分 ⇒ そのうちのすべての変数が変化した場合

おまけ(ちょっとした疑問)

 全微分はすべての変数が変化した場合ならば、単純に偏微分を足し合わせた式

  $\displaystyle d z = \dfrac{\partial f}{\partial x} + \dfrac{\partial f}{\partial y} \cdots (4)$

のような形になるのではと思うかもしれません。

 言い方を変えると、

  「何で、$d x$や$d y$のような余計なものがついてるの?」

と思うかもしれません。

 導出方法や考えた方などはさておき、簡単に言えば、$(4)$式は、$(3)$式において

  $d x = 1 , d y = 1$

としたときの特殊な場合に過ぎず、増分($d x$や$d y$)が1という一定値になっていることに注意しましょう。

スポンサーリンク
タイトルとURLをコピーしました