自国市場効果とは何であるか

空間経済学において重要な概念の1つである「自国市場効果」について、説明します。

自国市場効果

 自国市場効果(home market effect)とは、ある財・サービスについて2国間の貿易を考えた場合、より人口が多い国に企業がより多く立地し、その財・サービスの輸出国になるというものです。

 人口が多い国ほど、多くの企業が立地することは分かりますが、この効果によれば、人口以上の企業立地を促し、更に輸出をすることになるということです。

 具体的な命題としては、次のようなものです。

人口を L_i \, (i=1,2) 、企業数を n_j \, (i=1,2) とすると、L_1 \, > \, L_2 のとき

 \dfrac{n_1}{n_2} \, > \, \dfrac{L_1}{L_2}

が常に成立し、国1は差別化された異質財の純輸出国である

 2国間で考えた場合、マーケット規模から相対的に人口の多い国に、より多くの企業が立地し、人口の比率以上に企業数の比率は異なってくることを示しています。

 なお、この効果は、貿易が自由になるほど、大きくなるとされています。

空間経済学における意義

 上記の命題は、あくまでも貿易に関するものです。

 ただ、上記の命題について、国ではなく都市という風にも置き換えることが可能ですので、空間経済学や都市経済学などでも重要な命題となります。

 国際経済学においては、国々の相互作用も検討されますが、大きな目的は貿易を考えた場合の自国の発展です。ただ空間経済学・都市経済学においては、1つの国の中で、ある都市だけが発展すればいいというわけではなく、ある都市が発展した結果、他の都市が衰退しては問題だという面もあります。

 としたときに、自国市場効果は、大きな意味を持ちます。

 1つの国の中に、2つの都市があったとき、人口が大きい都市のほうに、より一層、企業が立地することを意味しているため、都市間の格差を説明する命題であるともいえるからです。

 日本で言えば、東京一極集中のような話になるでしょう。
 例えば、上場企業について考えたとき、日本全体に対して東京の人口は10%強、上場企業数は50%強と、かなり東京に企業が集中しており、自国市場効果が表れているように思います。

   日本の各都道府県の株式会社数と上場会社数

 なお、実証研究としては、自国市場効果が成立したりしなかったりと、ユニークな結論は得られていないようですが、都市の集積、都市間格差などを考える上で、大事な命題・効果を言えると思います。

空間経済学
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