概要
数学において、順列と組み合わせというものがあります。
経済学において、使われる頻度は多くはありませんが、統計学で二項分布などを学んだときなど、見かけることがありますので、改めて、順列と組み合わせについて、説明します。
順列と組み合わせ
あるものを選ぶとき、そのパターンがいくつあるのかを計算する式が、順列と組み合わせになります。
ただ、順列がその選び順も考慮するのに対して、組み合わせは選び順を考えないということになります。
違う言い方をすれば、
順列 … 選んだものを並べた場合のパターン数
並び替え … 選んだもののパターン数
となります。
例として、A~Dの4つについて、2つを選ぶ場合を考えます。それぞれのパターンは次の通り。
順列 … (AB)(AC)(AD)(BA)(BC)(BD)(CA)(CB)(CD)(DA)(DB)(DC)(12パターン)
組み合わせ … (AB)(AC)(AD)(BC)(BD)(CD)(6パターン)
このように、例えば、順列では(AB)(BA)を別物のパターンとして数えるのに対して、組み合わせでは(AB)(BA)を同じとして数えることになります。
公式
まずは、階乗について、説明します。
階乗とは、ある数字から、1つずつ小さくしていき1までの値をすべて掛け合わせたものです。
$n ! = n \cdot (n \; – \; 1) \cdot (n \; – \; 2) \cdots 2 \cdot 1$
これを踏まえ、異なる$n$個のものから、異なる$r$個を取り出したときを考えます。
順列${}_n P_r$の公式は、次のようになります。
${}_n P_r = n \cdot (n \; – \; 1) \cdots (n \; – \; r \; + \; 1)$
$= \dfrac{n!}{(n \; – \; r)!}$
組み合わせ${}_n C_r$の公式は、次のようになります。
${}_n C_r = \dfrac{n \cdot (n \; – \; 1) \cdots (n \; – \; r \; + \; 1)}{r \cdot (r \; – \; 1) \cdots 1}$
$= \dfrac{n!}{r! (n \; – \; r)!}$
$= \dfrac{{}_n P_r}{r!}$
すなわち、組み合わせは順列について$r!$で割ったものになります。
計算例
上記の例で、A~Dの4つについて、2つを選ぶ場合について計算してみましょう。
順列${}_4 P_2$は、組み合わせ${}_4 C_2$は、それぞれ次のようになります。
${}_4 P_2 = 4 \cdot 3 = 12$
${}_4 P_2 = \dfrac{{}_4 P_2}{2!} =\dfrac{12}{2} = 6$
上記の例のとおり、順列は12パターン、組み合わせは6パターンとなっています。