ベルヌーイ試行・ベルヌーイ分布・二項分布。
何となく、同じベルヌーイという人が出てきて、教科書的にも同じようなところにあり、初心者はこれらについて、混在しがちなような気がしています。
そこで、これらについて、整理して説明します。
ベルヌーイ試行
ベルヌーイ試行とは、試行を行った結果が2つのパターンしかないような試行のことです。
例えば、
・0と1
・丁半博打(奇数と偶数)
・ある、なし
・成功と失敗 など
あくまでも、試行であり、分布ではないので、ベルヌーイ分布・二項分布とは異なります。
二項分布
二項分布とは、$n$回ベルヌーイ試行を行った結果、1つの状態が生じる確率$p$についての確率分布です。このとき、二項分布は、$B(n \, , \, p)$と表記されます。
そして、1つの状態が生起する回数$r$の確率は、
$Pr(X = r) = {}_n C_r p^r (1 \; – \; p)^{n \; – \; r} \quad (r = 1 \, , \, \cdots \, , \, n)$
と表されます。
ベルヌーイ分布
二項分布においては、ベルヌーイ試行を$n$回繰り返すわけですが、ベルヌーイ分布は、ベルヌーイ試行を1回だけ行う場合となります。二項分布の表記に従えば、$B(1 \, , \, p)$となります。
そして、1つの状態$x$が生起する確率は、
$Pr(X=x) = p^x (1 \; – \; p)^{1 \; – \; x}$
となります。
まとめ
以上から、「ベルヌーイ試行」をもとにした分布が、「二項分布」と「ベルヌーイ分布」です。
そして、「二項分布」の特殊形が「ベルヌーイ分布」であるという関係になっています。
ベルヌーイ試行
↓
二項分布
ベルヌーイ分布(二項分布の特殊形)
中村隆英『統計入門』