スポンサーリンク

部分均衡の余剰に関する基本的な例題

スポンサーリンク
 
投稿ミクロ経済学初級
ミクロ経済学の部分均衡の消費者余剰・生産者余剰・総余剰に関する基本的な例題です。
スポンサーリンク
スポンサーリンク

 ある市場において、価格を$p$、需要量を$d$、供給量を$s$としたとき、次のような供給関数・需要関数があるとします。

  $d = 12 \; – \; p \quad \cdots \quad (1)$

  $s = p \quad \cdots \quad (2)$

※「▶」をクリックすると、回答を見ることができます。

※この問題を解くにあたり、基本的なことを知りたい方は、「消費者余剰・生産者余剰・総余剰・死荷重について」をご覧下さい。

【問題1】
 この市場における均衡価格$p^*$と均衡量$x^*$を求めてください。

【回答1】

 均衡においては、$d=s$となるので、$(1)(2)$から、

  $12 \; – \; p^* = p^*$

であり、均衡価格は次のようになります。

  $p^* = 6$

 これを$(1)$式や$(2)$式に代入すると、均衡量は次のようになります。

  $x^* = 6$

【問題2】
 この市場における消費者余剰・生産者余剰・総余剰を求めてください。

【回答2】

 消費者余剰は、均衡価格から上の需要曲線で囲まれた三角形で定義されるので、

  消費者余剰 $= \dfrac{1}{2} \times$ 均衡量 $\times$ (生産量$0$の価格 $-$ 均衡価格) $= \dfrac{1}{2} \times 6 \times (12 \; – \; 6) = 18$

であり、生産者余剰は、均衡価格から下の供給曲線で囲まれた三角で定義されるので、

  生産者余剰 $= \dfrac{1}{2} \times$ 均衡量 $\times$ 均衡価格 $= \dfrac{1}{2} \times 6 \times 6 = 18$

となります。

 以上から、総余剰は消費者余剰と生産者余剰を足し合わせたものなので、次のようになります。

  総余剰 $=$ 消費者余剰 $+$ 生産者余剰 $= 18 + 18 = 36$

【問題3】
 1単位当たり2の従量税を課した場合に、この市場における税収はどうなりますか。

【回答3】

 従量税がすべて消費者に転嫁されるとすると、需要価格は$p+2$となり、$(1)$式の需要曲線は、

  $d = 10 \; – \; p$

となります。そして、【問題1】と同様に均衡を考えると、

  $10 \; – \; p^* = p^*$

から、(供給者の)均衡価格は

  $p^* = 5$

となります(なお、需要価格は$7$です)。そして、均衡量$x^*$は、次のようになります。

  $x^* = 5$

 税収は、均衡量に税額を掛けたものなので、

  税収 = $5 \times 2 = 10$

となります。

【問題4】
 【問題3】において、死荷重はどうなりますか。

【回答4】

 【問題3】と同様に、消費者余剰・生産者余剰を求めると、

  消費者余剰 $= \dfrac{1}{2} \times 5 \times (12 \; – \; 7) = 12.5$

  生産者余剰 $= \dfrac{1}{2} \times 5 \times 5 = 12.5$

となります。

 総余剰は、消費者余剰と生産者余剰に加え、税収もプラスされるので、

  総余剰 $= 12.5 + 12.5 + 10 = 35$

となります。

 このことから、死荷重は課税前後の総余剰で比較されるので、次のようになります。

  死荷重 $=$ 課税後の総余剰 $-$ 課税前の総余剰 $= 36 \; – \; 35 = 1$

(別解)
 課税後の均衡量の右側の需要曲線と供給曲線で囲まれた部分が死荷重となるので、次のようにも計算できます。

  死荷重 $= – \dfrac{1}{2} \times$ (課税前の均衡量 $-$ 課税後の均衡量) $\times$ 税額 $= – \dfrac{1}{2} \times (6 \; – \; 5) \times 2 =1 $

※別の問題を見たいという方は、「消費者余剰・生産者余剰・総余剰・死荷重に関する問題」をご覧下さい。

スポンサーリンク
タイトルとURLをコピーしました