概要
変数$x_t$について、$t$で時間微分した$\dot{x_t} (= dx_t /dt)$を用いた変化率が、次のようになっているとします($a$は定数)。
$\dfrac{\dot{x_t}}{x_t} = a \quad \cdots \quad (1)$
この式を解くと、次のような式を得ることができます(なお、$x_0$は$0$期における値で初期値です)。
$x_t = x_0 \cdot e^{at} \quad \cdots \quad (2)$
経済学においては、時折出てきて、$(1)(2)$式を使うことがあるため、なぜ、このようになるか、解き方を説明したいと思います。
解き方
$(1)$式について、$t$で積分すると、次のようになります。
$\displaystyle \int \dfrac{\dot{x_t}}{x_t} \, dt = \int a \, dt$
この式について、$C$を積分定数とすると、置換積分により、
$\displaystyle \int \dfrac{1}{x_t} \, dx_t = at + C$
であり、積分の公式から、
$\ln |x_t| = at +C$
を得ることになります(これらの積分の公式については、「基本的な積分の公式」を参照してください)。
そしてこの式を変形すると、
$|x_t| = e^{at+C}$
であり、$x_t>0$とすると、
$x_t = e^{at+C}$
となります。
この式について、$t=0$とすると、初期値$x_t$は
$x_0 = e^C$
であり、
$x_t = x_0 \cdot e^at$
となることから、$(2)$式を得ることができます。