スポンサーリンク

予算制約下の効用最大化(数式モデル)

スポンサーリンク
 
投稿ミクロ経済学中級
ミクロ経済学において、予算制約下の効用最大化は消費者行動の基本です。この予算制約下の効用最大化について、中級者向けにn財に拡張し、数式をまじえて、説明します。
スポンサーリンク
スポンサーリンク

モデル

 ある消費者が、$ n$種類の$ x_i$財を、予算$ E$のもと、消費するとしましょう。
 効用関数を$ u$、各財の価格を$ p_i$とすると、次式を最適化することになります。

  $ \max \quad u(x_1,x_2,\cdots,x_n) $
  $ s.t \quad x_1 p_1 + x_2 p_2 + \cdots + x_n p_n = E $

 このとき、次のようにラグランジュ関数$ L$を定義し、

  $ L = u(x_1,x_2,\cdots,x_n) + \lambda ( E – x_1 p_1 + x_2 p_2 + \cdots + x_n p_n )$

一階の条件を求めると、$ n+1$個の式が得られます。

  $ \dfrac{\partial L}{\partial x_1} = \dfrac{\partial u}{\partial x_1} – \lambda p_1 = 0$

  $ \dfrac{\partial L}{\partial x_2} = \dfrac{\partial u}{\partial x_2} – \lambda p_2 = 0$

    $ \vdots$

  $ \dfrac{\partial L}{\partial x_n} = \dfrac{\partial u}{\partial x_n} – \lambda p_n = 0$

  $ \dfrac{\partial L}{\partial \lambda} = E – x_1 p_1 + x_2 p_2 + \cdots + x_n p_n = 0$

 これらの式から、$ \lambda$をキャンセルすると、

  $ \dfrac{\partial u_i}{\partial u_j} = \dfrac{p_i}{p_j}$

となります。これは、ある2財について、限界効用に比(限界代替率)が価格の比に等しいという式が得られます。

 また、上記の1階条件は、$ x_i \, (i = 1,\cdots , n)$は価格$ p_1, \cdots , p_n$と予算$ E$に依存しているため、

  $ x_i = d^i (p_1, \cdots , p_n , E) \quad (i = 1,\cdots , n)$

と表すことができます。このとき、$ d^i$は需要関数と言われます。

参考

  奥野正寛(編著)『ミクロ経済学

  西村和雄『ミクロ経済学

スポンサーリンク
タイトルとURLをコピーしました