スポンサーリンク

ミンサー型賃金関数について

スポンサーリンク
 
投稿労働経済学初級
どのように賃金が決まるのかを説明するミンサー型賃金関数について、説明しています。
スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク

はじめに

 労働者の賃金はどのようにして決まるのでしょうか。

 一般的なマクロ経済学的な回答としては、労働需要と労働供給が一致するような水準で、労働者の賃金が決まるとされるでしょう。

 しかし、個々の労働者を考えたとき、人的資本という観点からは、人的資本から賃金は決定されるという考えがあります。確かに、人的資本という形で、労働者に能力やスキル・経験などが多くあるほど、その労働者の賃金が高くなるというのは、納得のいく話です。

 このように、人的資本という観点で、賃金がどのように決まるのかということについて、ミンサー型賃金関数(ミンサー方程式)というものがあり、当てはまりの良い方程式となっています。

ミンサー型賃金関数

 ミンサー型賃金関数は、人的資本の蓄積に基づいて、賃金$w$が変わると考えます。

 ただ人的資本について、何をもって人的資本とするかが問題になりますが、この関数においては、教育年数$d$と経験年数$x$で賃金が決定されると考え、次のような方程式になります。

  $\ln w = \alpha + \beta_1 d + \beta_2 x +\beta_3 x^2 + u \quad \cdots \quad (1)$

 ここで、$\alpha$は定数項で、$u$は誤差項です。

 この式においては、(定数項を除き)教育年数と経験年数、そして経験年数の2乗したものが、対数化した賃金になることを示しています。

 そして、教育年数とその他の要因で考えた場合の方程式もありますが、$(1)$式の方程式を推計すると、当てはまりがよいことが知られています。

$(1)$式のポイント

 この$(1)$式のポイントは次の通りです。

  ・左辺の賃金について、対数化が行われている

  ・賃金は、教育年数と経験年数によって決まる

  ・経験年数の2乗の係数である$\beta_3$は負の値をとることが多く、経験年数は割り引かれる 

参考

  川口大司「ミンサー型賃金関数の日本の労働市場への適用

  ジェトロ・アジア経済研究所・高橋和志・黒岩郁雄・山形辰史(編)『テキストブック開発経済学

スポンサーリンク
タイトルとURLをコピーしました