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不均一分散への対処法である加重最小二乗法について

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投稿計量経済学初級
計量経済学において、データの分散が既知の場合の不均一分散について、その対処法である加重最小二乗法(WLS)を説明します。
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不均一分散

 次のような回帰モデルを考えます。

  $y_i = \alpha + \beta_1 x_{i1} + \cdots + \beta_{p}x_{ip} + u_i \quad(i = 1 \, , \, \cdots \, , \, n)$
 
  $E(u_t)=0 \, , \, E(u_i^2) = \sigma^2_i \, , \, E(u_i \, u_j) = 0 \, (i \neq j)$

 一般的なOLSでは、分散は$E(u_i^2) = \sigma^2$のように一定ですが、このモデルでは、そうはなっていません。

 このようなとき、不均一分散と言い、通常のOLSを用いることはできません。

加重最小二乗法(WLS)

 ただ、分散の値が分かっているならば、簡単に対処できます。

 標本ごとに$\sigma_i$は異なっているのですが、次のように、$\sigma_i$で割れば、分散の均一化を図ることができます。

  $\dfrac{1}{\sigma_i} y_i = \dfrac{1}{\sigma_i} \alpha + \dfrac{1}{\sigma_i} \beta_1 x_{i1} + \cdots + \dfrac{1}{\sigma_i} \beta_{p}x_{ip} + \dfrac{1}{\sigma_i} u_i$

 そしてこのモデルについて、通常のOLSを行えばいいことになり、この方法を「加重最小二乗法」と言います。

 なお、念のため、このモデルの誤差項について、平均と分散を見てみると、

  $E \left[ \dfrac{u_i}{\sigma_i} \right] = \dfrac{1}{\sigma_i} E(u_i) = 0$

  $E \left[ \left( \dfrac{u_i}{\sigma_i} \right)^2 \right] = \dfrac{1}{\sigma_i^2} E(u_i^2) = 1$

となり、通常のOLSの仮定を満たすことになり、問題がないことが分かります。

参考

  羽森茂之『ベーシック計量経済学

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